2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 大田美和 びしょぬれの君がくるまる海の色のタオルの上から愛してあげる チェロを抱くように抱かせてなるものかこの風琴はおのずから鳴る この人の歌からは、全体的に、主体…
洋楽和訳の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com Ride me like a wave (Janis Ian) 作詞:Janis Ian 作曲:Janis Ian www.youtube.com Hide me in your hollows Taste the salt that clings to me Shipwrecked in your shadows Sanctify the sea Hide me i…
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 江戸雪④ 貝殻をダッシュボードにころがせばうっすらと月いつも冷たい 最後はちょっと病んでる系集めてみた。全体的に「うすく」て、冷たくて、狂ってるし病んでるんですね。 …
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 江戸雪③ 傷ついたこと馬鹿らしくストローを噛むダサシュワメート・ガート午前五時 『インド・ネパール 十六首』という章の中の歌です。ダサシュワメート・ガートはガンジス川…
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 江戸雪② 知っているつもりでいたけど雨のなか君はひかりをみていたんだね 前回「相手とのへだたり」と書きましたが、一方で小高賢編著の『現代の歌人140』では、江戸雪の歌集…
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 江戸雪 すこし私をほうっておいてください ぶあつい水に掌をしずませる ぶあつい水、っていう表現に心惹かれました。この人の歌に関しては、巻末に奥村晃作による解説文が載…
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 梅内美華子④ みつばちが君の肉体を飛ぶような半音階を上がるくちづけ シャボン玉壊れる音を待ちながら二度目のくちづけ思い返しぬ くちづけの歌2首です。キスの最中に音を聴…
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 梅内美華子③ 性愛の痛みは背に残りいてくちなわなれば歩みがたきか この歌に出会ったときに初めて「くちなわ」という単語を目にしました。朽ちた縄=蛇なのね。そりゃあ歩みが…
個人的にとても嬉しい出来事だったのでお知らせです。 以前から歌人の山田航氏のファンで、このサイトでも『桜前線開架宣言』を取り上げて参りましたし、『短歌タイムカプセル』でも山田氏の歌を引用いたしました。 桜前線開架宣言 カテゴリーの記事一覧 - …
洋楽和訳の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com What It Feels Like For A Girl (Madonna) 作詞; Madonna, M.D.Torn, G. Sigsworth 作曲; Madonna, M.D.Torn, G. Sigsworth www.youtube.com Girls can wear jeans And cut their hair short Wear shirts a…
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 梅内美華子② 空をゆく鳥の上には何がある 横断歩道(ゼブラ・ゾーン)に立ち止まる夏 末尾のエッセイには、「二十歳のときのうた」とあります。夏の入り口に立って空を見上げ…
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 梅内美華子 われよりもしずかに眠るその胸にテニスボールをころがしてみる この歌は、俵万智の『あなたと読む恋の歌 百首』に引用されていて印象に残っていました。そこには…
北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想です。 注意書き ・『現代短歌最前線』というタイトルの本ですが、2001年初版発行の本なので、20年前の最前線です。 ・歌人21人の自選200首+随筆です。 ・1人200首と多いので、各歌人について3~4回に分け、1回につき3~…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 殺意の歌 みんな殺したがってるんだなー(笑)。啄木の「素朴な殺意」笑ったわ。 どんよりと くもれる空を見てゐしに 人を殺したくなりにけるかな (石川啄木) なんかカ…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com ハイテンションな歌 近代短歌編 近代の短歌は、おそらく「恋」を自ら選び取り始めたという点で(「恋愛宣言」という言葉が解説にあります)、現代よりさらにハイテンシ…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com ハイテンションな歌 現代短歌編 この章は短歌そのものよりも解説がすごい面白かった。というか紹介されている短歌はそれこそ解説に 性愛的な局面では誰もがハイテンショ…
洋楽和訳の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com Truthfully (DNCE) 作詞:Rami Yacoub/Kristoffer Fogelmark/Albin Nedler/Joe Jonas/Justin Tranter 作曲:Rami Yacoub/Kristoffer Fogelmark/Albin Nedler/Joe Jonas/Justin Tranter www.youtube.com One…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 慎ましい愛の歌 その2 この章は解説文が興味深かったです。以下引用ですが、 1980年代から短歌の世界に、それまでの文語とは異なる日常的な口語を用いた作品が目立ち始…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 慎ましい愛の歌 その1 ずっと「現代短歌」を読んできたので、こういう慎ましい相聞歌ってあまり触れたことがなく、逆にすごく新鮮な感じがしました。近代っていうと与謝…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 間違いのある歌 その2 これも面白い! あのね、アーサー昔東北で摘んだだろ鬼の脳(なづき)のやうな桑の実 (岡井隆) これ、作者は「鬼」じゃなくて「兎」って書いた…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 間違いのある歌 その1 この章好きです。特に与謝野晶子の 鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな (与謝野晶子) が好き。解説にも、 この流れの中で大仏像…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 唐突な読点 読点のある歌って時々見ますが、こうして集められると面白いです。 約束を残したまま終わっていくような別れがいいな、月光 (杉田菜穂) なんて素敵♡そうか…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 時計の歌 時計の歌も多いんですね。なんか意味深だもんな。 進行性不治難病と告げられて何処に在りてもわれは<時計>か (山口健二) なんて非常に心情が伝わりやすい、…
洋楽和訳の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com Closer (Tegan and Sara) 作詞:Tegan Quin/Sara Quin/Greg Kurstin 作曲:Tegan Quin/Sara Quin/Greg Kurstin www.youtube.com All I want to get is a little bit closer All I want to know is, can you…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 会社の人の歌 この章面白いです。歌も面白いけど、解説がめちゃくちゃ面白い。 まず オレの名は「野田さん」じゃない「部長」だと若手社員に怒鳴りたる人 (清水良郎) …
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 我の歌 これは、ちょっと難しいです。多分私に短歌の歴史とかそういう文化的な素養がないからだと思うんですが。以下引用ですが、 現代短歌の中には特異的めいたモチー…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 動植物に呼びかける歌 最初の猫の歌を見て、あー、ペット可愛い系?とか思ってたら あかねさす昼の光に恥思へや(はぢもへや)蝙蝠よなんぢの顔はみにくし (前川佐美雄)…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com デジタルな歌 この章は「デジタル」というより、数字が詠み込まれている、という感じでしょうか。デジタルっていうのは私の感覚では「非連続性」というか、数と数の間の…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 落ちているものの歌 手袋の歌が多い、とあって、私も実際毎年の恒例行事かってくらい片手だけ手袋落とすので、身につまされながら読みました…。本当はムートンのあった…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 繰り返しの歌 いろんな繰り返しのパターンがあって面白い!一番好きだったのは 祖父なんばん 祖母トンガラシ 父七味 母鷹の爪 兄辛いやつ (踝踵) ってやつで、おおー…