2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 前田透 分去の名はかなしくて吾を責む才なき者文学を捨てよ 真剣に文学に向き合うと、そう感じる瞬間はあるだろうなと思います。という…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 穂村弘 終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて この人の短歌めちゃくちゃ有名ですよね。エッセイとか短歌解説本?…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 干場しおり とけてから教えてあげるその髪に雪があったことずっとあったこと これは、昔好きだった人に、「あの頃好きだったよ」って言…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com フラワーしげる あの舗道の敷石の右から八つ目の下を掘りかえすときみが忘れたものが全部入っていて、で、その隣が江戸時代だ もう全然…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 藤原龍一郎 ああ夕陽 あしたのジョーの明日さえすでにはるけき昨日とならば この人の歌は固有名詞が多用されていますね。固有名詞は時代…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 藤本玲未 糸電話片手に渋谷ぶらついてこちら思春期早く死にたい おー、これは思春期っぽい。しかも思春期を渋谷で過ごした退廃感ですね…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 福島泰樹 その窓のむこうに映る人々や死はやわらかく溶けて廻れり この人は僧侶でボクサーなんですね。僧侶なのかぁ、だから死がやわら…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 平井弘 男の子なるやさしさは紛れなくかしてごらんぼくが殺してあげる これは、殺すのと殺さないのとどっちが優しいんでしょうか。優し…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 東直子 好きだった世界をみんな連れてゆくあなたのカヌー燃えるみずうみ この人の歌を初めて読んだ時ものすごくびっくりしました。全然…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 林あまり 死にはしない、狂いもしないと ふかくふかく信用される女ではある 昔『ベッドサイド』という歌集を読んだことがあり、岡崎裕美…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 早坂類 十八歳の聖橋から見たものを僕はどれだけ言えるだろうか 18歳の頃自分はどこで何をしていただろう。聖橋は神田川にある橋で、こ…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 早川志織 シャンプーの香りに満ちる傘の中 つぼみとはもしやこのようなもの とてもかわいい歌だなと思いました。傘の中に自分がいて、ほ…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 馬場あき子 住みながらこの国だんだん遠くなるてんじんさまのほそみちのやう 「通りゃんせ」ですね。この歌はどうしても不気味な感じが…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 花山多佳子 ことごとく生きてゐる人、生きてゐる人だけがどつと電車を降りくる それはそうなのですが、改めて言葉にされると、すごい数…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 花山周子 わが脳が静かに夢を紡ぎいる自給自足の時間を愛す これは、分かりますよねー。いつも自給自足してますよ。愚にもつかないこと…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 服部真理子 幸福と呼ばれるものの輪郭よ君の自転車のきれいなターン これはなんとなく子供かなぁと思いながら読んだのですが、他に子供…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 野口あや子 頑張っている女の子とか辛いからわたしはマカロンみたいに生きる この歌は自分がめちゃくちゃ頑張ってて辛い時に出会ったの…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 西田政史 何かきみに話さむとしてアメリカのGreyhoundとふバスを思ふ Greyhoundはアメリカの長距離バスなんですね。Greyhoundでググると…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 中山明 ひぐらしが鳴くまで きみに初めてのながい唇づけをしてしまふまで ロマンチックですね!デートしてて、本当はずっとキスしたくて…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 永田紅 ほうたるのひかり追いつつ聞くときにルシフェラーゼは女の名前 この人は農学博士で細胞生物学研究者のようです。河野裕子と永田…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 永田和宏 あの胸が岬のように遠かった。畜生! いつまでおれの少年 この歌に出会った時の衝撃は忘れられません。こんなに鮮やかに少年時…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 中島裕介 モルヒネを打たずに心を縫うような痛みだ今日の空の高さは 時々空を見上げるだけで心がめちゃくちゃ痛む日ってありますよね。…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 永井陽子 生きているどのことよりも明々といま胸にある海までの距離 愛知県出身の人です。胸の中にある海は穏やかな湾なのかな。この海…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 永井祐 わたしは別におしゃれではなく写メールで地元を撮ったりして暮らしてる プロフィールに地元がどこなのか書いてないですね。。「…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 土岐友浩 砂浜はまだつめたくてあなたなら僕よりもっと遠くまで行く 「まだつめたい」砂浜は多分朝で、裸足で歩いてて、僕よりもっと遠…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 堂園昌彦 君は君のうつくしい胸にしまわれた機械で駆動する観覧車 君は観覧車かぁ。そうなのかもなぁ。中から世界を眺めるだけでどこへ…
書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 寺山修司 生命線ひそかに変へむためにわが抽出しにある 一本の釘 寺山修司は一時期すごく傾倒してて、歌集めっちゃ読んでました。その中…