書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて
この人の短歌めちゃくちゃ有名ですよね。エッセイとか短歌解説本?も昔色々読みました。
この歌は遊び疲れた恋人同士がバスで家に帰るところ、みたいな可愛い感じもするし、だけど終バスだし、2人とも眠っていたらこのまま異世界まで眠ったまま行ってしまうんじゃないかみたいなどきどき感も感じさせます。言葉の使い方が絶妙ですよね。<降りますランプ>って。
体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ
「象のうんこ」「かぶと虫まっぷたつ」みたいな歌もたくさんありますけど、こういうかわいい系好きだなー。天然で可愛い彼女なのかなって気がするやつ。これは多分彼女が風邪ひいてて、体温計咥えるんだから昔ながらの水銀のやつで、窓は結露で曇ってて、指できゅってして熱い額を冷たい窓にくっつけて窓の向こうに雪が降っているのを見て熱で変なテンションになってはしゃいで「ゆひら」って騒ぐんだけど息でまた窓が曇っちゃうんだ。で、彼氏は「雪のことかよ。はしゃいでないで寝てなよ」って言うんだな。うわーかわいい。
ちなみにこの「体温計」は婦人体温計説があると耳にしたのですが、婦人体温計だったら窓に額つけてはしゃがないと思うなー。絶対熱があるんだよ。熱のテンションです!そして熱で寝てる時に一緒にいる恋人なんだからもうかなり打ち解けた関係で、半同棲的なノリなのかなーって。
ちなみに私は(このアンソロジーには載ってないのですが)
猫投げるくらいがなによ本気出して怒りゃハミガキしぼりきるわよ
というこの人の歌が好きなのですが、これでググったらハミガキしぼりきった人のブログがヒットして笑いました。
初めての真夏日だからそうしなきゃいけないみたいに吸ってるパピコ (yuifall)
「11時半でも午後は午後でしょう?」「うん、でも中身ウォッカなんだよ」 (yuifall)
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