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現代短歌最前線-穂村弘 感想2

北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

穂村弘

 

「とりかえしのつかないことがしたいね」と毛糸を玉に巻きつつ笑う

 

 「とりかえしのつかないこと」っていうとなぜか納豆のイメージが浮かぶのですけど、『B.B. Joker』(にざかな)という漫画にそういうシーンがあったような気がするのだが定かでない。『殺し屋さん』の方だったかな…。もう全然思い出せないですね…。

 この主人公の「とりかえしのつかないこと」ってなんだろう。毛糸は、やり直しがきくなにかの暗喩として登場したものなのかなという感じがします。ほどいて作り直せるから。

 

金曜日 キスの途中で目を開けて「巣からこぼれた雛は飛べるの?」

 

 これはかわいい♡「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ、の彼女かなぁ。巣からこぼれた雛は飛べないよね…。死ぬしかないね…。でもそんなこと言えない空気ですよね…。

 しかしこの女の子はかわいいが、この女の子が好きな男はなんかむかつく(笑)。宇都宮敦の

 

牛乳が逆からあいていて笑う ふつうの女のコをふつうに好きだ

 

という歌に初めて出会った時も同じ気持ちになったのですが、この女の子はかわいいが、この女の子を「ふつうに好きだ」って言ってる男は好きじゃないな(笑)。とはいえこの歌は「ふつうって何だ?」という問題提起的なものを感じさせる内容ですのでこの歌が好きでないわけではありません。むしろ歌は好き。

 

「脇の下をみせるざんす」と迫りつつキャデラック型チュッパチャップス

 

 これは意味不明ですがなんか笑える。「脇の下をみせるざんす」ってなんだよ(笑)。なんか異次元に迷い込んでしまった感があります(笑)。

 ちょっと試しにググってみると、「ざんす」って言っているのは『おそ松さん』の「イヤミ」のイメージだそうです(穂村弘によれば)。つまり、「脇の下をみせるざんす」は「シェー」のポーズらしい。私は『おそ松さん』も『おそ松くん』も見たことのない、オタク(で腐女子)にあるまじき物知らずなのですが、「脇の下をみせるざんす」と言っているのが「イヤミ」なら、「シェー」のポーズをするのは一体誰なんだ?これは、迫っている相手を「キャデラック型チュッパチャプス」に見立てて、「脇の下をみせるざんす(舐めてあげるから♡)」ってことなのかしら。

 ところでググってみると色々な考察がヒットしてきて結構面白いのでみなさんもお試しあれ(笑)。私はそこまで短歌を深読みする能力がないのですが、それはおそらく自分が大して考えずに歌を作っているからであると思われます。自分が言葉の使い方に神経を張り詰めてないから、歌を読んで意味が分かんなくても、どうせ私には分からんだろう…、とか、というかそもそもそんなに意味あってこの言葉選んでんの?とか思ってしまうんですねー。この歌とかも、「イヤミ」、「キャデラック」「チュッパチャプス」というそれぞれのモチーフに、みんなが考察するほど深い意味があるとも思えず、戸惑うばかりです(笑)。

 「なんかわからんけどおもろいわー」でもいいのではないかなーと身も蓋もなく考える一方で、もっと行間を読む能力を鍛え上げないとだめなのかなーとか無駄に考え込んだ歌でした。

 

 

「アスリートってすごいよね夢もらった!」「うん、飛び込み台の上にいるのが自分じゃなくてよかったって思ったよ」 (yuifall)

2メートル離れてきみは立っていて Where do the masks go? (キスするときはこれ、どうするの?) (yuifall)

 

 

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