「一首鑑賞」の注意書きです。
237.「雨だねぇ こんでんえいねんしざいほう何年だったか思い出せそう?」
(笹井宏之)
笹井宏之の歌は歌集『えーえんとくちから』で出会っているのですが、「一首鑑賞」コーナーを読んでいると色々な歌人が取り上げており、この歌は大松達知が鑑賞文を書いていました。
この歌は最初に見た時からずっと好きでしたが、どう読んでいいのかよく分からなかったし鑑賞文の書きようがないと思っていたので、「一首鑑賞」コーナーで出会ってちょっとびっくりしました。そしてすごいなぁと思いました。
ただ、解釈しているかというとそうではなくて、純粋に感想が書いてあります。
歴史上の大事件と現在の(つまりは歴史の最先端の)自分たちが、年号を思い出すことでほのかにつながるのがおもしろい。
しかし、その年号を思いだしても、法の発布と現在の自分に関わりができるわけではない。ただなんとなく当時の人々の暮らしを思い、現在の自分と比べたりするだけだろう。そのあたりの、突き詰めてゆかないところがいい。
そうか、突き詰めてゆかないところがいいんだ、と思ったし、鑑賞文だって突き詰めてゆかない方がいいんだろうなと感じました。
最後の
電子辞書をひくと、見出しに「こんでん・えいねん・しざい・ほう【墾田永年私財法】」という表記が見られる。それが発想の源だったかもしれない。
という記載になんかどきっとしました。ひらがなで書かれると、「しざい」という言葉が浮き上がって見えたからかもしれない。全然単なるこじつけだし、それこそそんな風に突き詰めていかない方がいいに決まっているのですが、笹井宏之はいつも死を身近に感じていただろうと思ってしまいました。
江戸時代、男は妻と間男を合法的に殺せたらしい (yuifall)
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