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ぼくの短歌ノート-「唐突な読点」 感想

講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。

 

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唐突な読点

 

 読点のある歌って時々見ますが、こうして集められると面白いです。

 

約束を残したまま終わっていくような別れがいいな、月光 (杉田菜穂)

 

なんて素敵♡そうかぁ、月光だけが後に残ってるのね。そして、

 

約束の果たされぬ故につながれる君との距離をいつくしみをり (辻敦子)

 

白和えを作ってあげる約束のこと思い出す別れたあとで (俵万智)

 

約束はしたけどたぶん守れない ジャングルジムに降るはるのゆき (穂村弘)

 

思い出した。確かに、果たされなかった約束っていつまでも心に残る気がします。

 

 同じ読点モノでもがらりと雰囲気が変わり、

 

牡蠣フライ家で揚げると熱々でいつも誰かが火傷する、口 (岸本恭子)

 

は笑える。オチか!そうかもね(笑)。

 

 あと

 

容疑者にかぶされているブルゾンの色違いならたぶん、持ってる (鈴木美紀子)

 

はちょっとブラックですね。一歩間違ったら自分もやってたんじゃ的な雰囲気を感じます。そして解説読んだら、

 

こういう場合の「容疑者にかぶされているブルゾン」は、本人のものじゃないんじゃないか」と気付く。

 

とあって、確かに!と思った。おおー、深いな。

 

 

暇すぎて岩波文庫の「アラビアン・ナイト」全巻読んだ、個室で (yuifall)

ラブソングとして聴いてるデュエットのWhite Christmas、猛暑日に (yuifall)

 

ぼくの短歌ノート-「時計の歌」 感想

講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。

 

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 時計の歌

 

 時計の歌も多いんですね。なんか意味深だもんな。

 

進行性不治難病と告げられて何処に在りてもわれは<時計>か (山口健二)

 

なんて非常に心情が伝わりやすい、ああ、「時限爆弾」的な意味合いの「時計」ねって。まあ、人間はみんな等しく「進行性不治難病」なのかもしれませんが…。意識するとしないとに関わらず…。って解説にも書いてあるな。

 

洗濯機の

   レンジの

      ビデオデッキの

            デジタルの時間少しずつずれてる (もりまりこ)

 

は面白いですね。あるあるだし、もーほんとの時間どれだよ!ってなるよね(笑)。で結局携帯見るんだな…。

 

 「時計」をテーマに恋の歌作ろうとするとなんか「あなたといると時間が早く過ぎる」系か「あなたは時間になると行ってしまう」系か「時間を巻き戻したいor止めたい」系になりがちだな。。もっと斬新な感じの作れないかなーと考え中だけど今のとこできてません(笑)。

 

 

自らを時計となして生きるためきみに手袋嵌めさせている (yuifall)

てきとうに針を回すよ腕時計午前か午後か決めかねながら (yuifall)

 

Closer (Tegan and Sara)-和訳

Closer (Tegan and Sara)

作詞:Tegan Quin/Sara Quin/Greg Kurstin 

作曲:Tegan Quin/Sara Quin/Greg Kurstin

 

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All I want to get is a little bit closer

All I want to know is, can you come a little closer?

 

Here comes the breath before we get a little bit closer

Here comes the rush before we touch, come a little closer

 

The doors are open, the wind is really blowing

The night sky is changing overhead

 

It's not just all physical

I'm the type who won't get oh so critical

So let's make things physical

I won't treat you like you're oh so typical

I won't treat you like you're oh so typical

 

All you think of lately is getting underneath me

All I dream of lately is how to get you underneath me

 

Here comes the heat before we meet a little bit closer

Here comes the spark before the dark, come a little closer

 

The lights are off and the sun is finally setting

The night sky is changing overhead

 

It's not just all physical

I'm the type who won't get oh so critical

So let's make things physical

I won't treat you like you're oh so typical

I won't treat you like you're oh so typical

 

I want you close, I want you

I won't treat you like you're typical

 

Here come the dreams of you and me

Here come the dreams

 

It's not just all physical

I'm the type who won't get oh so critical

So let's make things physical

I won't treat you like you're oh so typical

I won't treat you like you're oh so typical

 

All I want to get is a little bit closer

All I want to know is, can you come a little closer?

 

 

直訳

 

All I want to get is a little bit closer

もう少しそばに来て、それだけがわたしの望み

All I want to know is, can you come a little closer?

もう少しそばに来られない?それだけが知りたいの

 

Here comes the breath before we get a little bit closer

一息ついて、そしたらもう少しそばに来て

Here comes the rush before we touch, come a little closer

触れ合う前に衝動が来たよ、もう少しそばに来て

 

The doors are open, the wind is really blowing

ドアは開いて、風が強く吹いている

The night sky is changing overhead

夜空が頭上で移り変わっていく

 

It's not just all physical

身体だけのことじゃない

I'm the type who won't get oh so critical

わたしは批判的なタイプじゃないよ

So let's make things physical

だから身体でも愛し合おうよ

I won't treat you like you're oh so typical

わたしはあなたを典型的になんて扱わないよ

I won't treat you like you're oh so typical

ありきたりの人みたいに感じさせたりしない

 

All you think of lately is getting underneath me

この頃あなたはわたしに抱かれることばかり考えてるよね

All I dream of lately is how to get you underneath me

この頃わたしはどうしたらあなたを抱けるかってことばかり夢見ているの

 

Here comes the heat before we meet a little bit closer

熱を感じたらもっと近くで会おう

Here comes the spark before the dark, come a little closer

火花が来たら暗闇が訪れる、もう少しそばに来て

 

The lights are off and the sun is finally setting

灯りは消え、ついに日が沈む

The night sky is changing overhead

夜空が頭上で移り変わっていく

 

I want you close, I want you

近くに来てほしい、来てほしいの

I won't treat you like you're typical

ありきたりの子だなんて感じさせたりしない

 

Here come the dreams of you and me

わたしとあなたの夢が叶うよ

Here come the dreams

夢が叶うよ

 

 

*MVを見ていて、これはジェンダーレスな曲だなーと思いました。誰から誰に向けたラブソングであってもいいというか。でも、make things physicalという言葉通り、友情とか広い意味での愛情じゃなくて肉体関係を伴う愛情なんだよね。

それを踏まえて最も悩んだのが一人称です。ジェンダーレスだと「わたし」-「あなた」が用いられやすいような気もするのですが(米津玄師の『Lemon』もそうだし)、それって男性ボーカルの場合かな?とも思って…。女性ボーカルがジェンダーレスな歌詞を歌う時、よく「ぼく」-「きみ」が使われるような。英語ならI-youでいいのに、困ったなーと。なので実験的に、一人称なしでやってみました。youは「あなた」かな…。

*「我」みたいな古語とか、「オラ」とか「わぁ」とかある意味めちゃくちゃ方言の方がジェンダーレスでいいのかもしれません(笑)。でも私はあらゆる方言のノンネイティブなので、誰かのチャレンジをお待ちしております…。

The doors are openはなぜ複数形なんだろう?

*サビはphysical-critical-typicalで韻を踏んでいて、だからリズムがメインで言葉を選んでいて意味は言葉通りじゃなくてもいいのかなって思ったので、勝手に意訳してます。

*MV楽しそうでいいな。最後のキスシーンめっちゃときめいた。

 

*この曲はglee S4で歌われていて知りました。S4のNDは集団で歌う歌がとても多いので最初はあまり気に留めていなかったのですが、メロディがすごく耳に残って、聴けば聴くほどハマる曲です。gleeのMVも見直すとNDが仲良くて楽しそうですごく好きです。

 

www.youtube.com

 

意訳

 

少しだけそばに来てほしい、それだけを望んでる

もっと近くに来られない? それだけを知りたいよ

 

深呼吸したらもっとそばに来て

触れたくてたまらないんだ、もっと近くに来てよ

 

強い風が全部のドアを開けていく

夜空が頭上で移り変わっていく

 

身体だけがほしいんじゃない

悪いようにはしないから

身体も含めて愛したいんだ

あなたは特別な人

それを感じさせてあげる

 

抱かれたいって思ってるでしょ

この頃ずっと望んでるはず

抱きたいって思ってるよ

この頃ずっと夢見てるんだ

 

燃え上ったらもっとそばに来て

火花が見えたら電気を消すから、もっと近くに来てよ

 

灯りが落ちてついに日が沈む

夜空が頭上で移り変わっていく

 

身体だけがほしいんじゃない

悪いようにはしないから

身体も含めて愛したいんだ

あなたは特別な人

それを感じさせてあげる

 

そばに来てほしい、もっと近くに

特別だって感じさせたい

 

2人の夢が叶うんだ

夢が叶うよ

 

身体だけがほしいんじゃない

悪いようにはしないから

身体も含めて愛したいんだ

あなたは特別な人

それを感じさせてあげる

 

少しだけそばに来てほしい、それだけを望んでる

もっと近くに来られない? それだけを知りたいよ

 

ぼくの短歌ノート-「会社の人の歌」 感想

講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。

 

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会社の人の歌

 

 この章面白いです。歌も面白いけど、解説がめちゃくちゃ面白い。

 まず

 

オレの名は「野田さん」じゃない「部長」だと若手社員に怒鳴りたる人 (清水良郎)

 

がね、ぱっと見は単に偉そうな部長だなーって思ったのですが、よく見たら「オレの名は部長」なのかよ!解説にも

 

「会社では」ではなく「オレの名は」まで踏み込むことによって初めて狂ったパッションが詩の扉を開くことを可能にしたのだ。

 

とあり、「狂ったパッション」って言葉のセンスがよすぎて笑った。

 あと

 

UFOが現れたとき専務だけ「友達だよ」と右手を振った (須田覚)

 

も、そもそも歌自体がめちゃくちゃ笑えるのに、解説で

 

UFOが現れたとき主任だけ「友達だよ」と右手を振った <改悪例1>

UFOが現れたとき詩人だけ「友達だよ」と右手を振った <改悪例2>

 

と具体例を挙げてこの歌の面白さを説明してくれてて(笑)、確かに詩人はUFOと友達でも面白くない!専務だとめっちゃ面白い!そして逆に社長とか会長とかになっちゃうとそれも大物=UFOとのつながりありそう(笑)?ってなっちゃうし、専務ってチョイスが完璧や!と、かなりときめきました。

 

 みんなこんなこと考えながら仕事してんのかなーと考えると面白いな。私ももっと仕事中に妄想した方がいいのかもしれません(笑)。

 

 

一人しかいない上司が延々とアニソン流し続ける職場 (yuifall)

 

ぼくの短歌ノート-「我の歌」 感想

講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。

 

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 我の歌

 

 これは、ちょっと難しいです。多分私に短歌の歴史とかそういう文化的な素養がないからだと思うんですが。以下引用ですが、

 

 現代短歌の中には特異的めいたモチーフがふたつあると思う。ひとつは歌の歌。短歌そのものについて詠ったメタ的な構造の作品である。もうひとつは我の歌。私小説という言葉があるが、近代以降の短歌は少数の例外を除いて基本的に全てが私短歌なのだ。普通に書けば我が主語だと思われる一人称の詩型。

 

引用終わり。

 

 うーん、「歌の歌」と「我の歌」かぁ。

 私短歌という概念がよく分からないなぁ。。逆に、「現代短歌」ではない昔の歌って、「我」が主語ではなかったということなんだろうか。例えば(言うまでもなく百人一首および万葉集からの引用ですが)

 

ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは

 

とか

 

石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも

 

みたいな歌は「私短歌」には分類されないということだろうか。そして、「近代以降の短歌は少数の例外を除いて基本的に全て我が主語」ってどういうことなんだろう…。自分を主人公に設定して詠わなくても(フィクションであっても)、短歌には自分が滲み出るってことかな。それとも、論じられてるのはそういう意味じゃないのかな。自分自身でなくても誰か「人間」が主人公の一人称の歌=「私短歌」ってこと?

 

砂時計のなかを流れているものはすべてこまかい砂時計である (笹井宏之)

 

とか、

 

大学をやめたマサルは空色の建設現場で働きだした (千葉聡)

 

とかも、自分の気持ちだからカテゴリー的に私短歌ということなのだろうか。「わたし」がそう感じてるからってこと?「あなた」とか「だれか」が感じてるのを歌にする、っていうのが私短歌じゃない、ってことなのかな。全然概念が理解できてないな。

 ちょっと難しくて分からなかったのですが、まあ、文学を学んでいるわけではないので(笑)、もっとカジュアルに感想を書きたいと思います(笑)。

 

 といってもこのテーマもあまり個人的には心惹かれません…。なんでかな。単に「我」というテーマに心惹かれないだけかも。

 

僕は今一人千役こなしつつ僕の二代目オーディション中 (渡辺崇晴)

 

通用門いでて岡井隆氏がおもむろにわれにもどる身ぶるひ (岡井隆)

 

祖父・父・我・我・息子・孫、唱うれば「我」という語の思わぬ軽さ (佐佐木幸綱)

 

これら全部、あー、うん。って思ったくらいだったもん…。人って色んな顔を持ってて、祖先から子孫まで繋がってて、大河の一滴にすぎず、うん、そうですよね、と思いました。

 作品の問題ではなく、多分私自身が「私短歌」という概念が理解できてないからうまく読めてないのかなと思います。

 

 

アルビノの蛇でも四葉のクローバーでもなくぼくはシャーペンの芯 (yuifall)

 

ぼくの短歌ノート-「動植物に呼びかける歌」 感想

講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。

 

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 動植物に呼びかける歌

 

 最初の猫の歌を見て、あー、ペット可愛い系?とか思ってたら

 

あかねさす昼の光に恥思へや(はぢもへや)蝙蝠よなんぢの顔はみにくし (前川佐美雄)

 

超弩級インパクトでした。そんなこと言っちゃうのかい。蝙蝠、けっこう顔かわいいよ(笑)。ねずみっぽくて。お前は暗闇の中にいろや的な意味合いなのか?

 

しゃぼん玉五月の空を高々と行きにけり蚯蚓よ君も行き給え (佐佐木幸綱)

 

インパクト強いですね…。しゃぼん玉から蚯蚓に…。みんな色んなものに呼びかけてるんだなぁ。

 

 この中でも一番どきっとしたのは

 

お軽、小春、お初、お半と呼んでみる ちひさいちひさい顔の白梅 (米川千壽子)

 

これでしょうか。「お軽、小春、お初、お半」はみんな浄瑠璃の心中物の女主人公みたいです。「夜桜お七」みたいな感じか。白梅というと

 

ひとまおきてをりをりもれし君が息 その夜白梅抱くと夢みし (与謝野晶子)

 

を思い出します。白梅を見ていて、儚い運命の女性の顔を思い浮かべるだろうか。こういう歌を読むと、この感性には敵わないなぁ、って感じ入ります。

 

 

愛しえぬことの痛みを知るまいと番ふ蛙を憎みつつ見る (yuifall)

 

ぼくの短歌ノート-「デジタルな歌」 感想

講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。

 

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 デジタルな歌

 

 この章は「デジタル」というより、数字が詠み込まれている、という感じでしょうか。デジタルっていうのは私の感覚では「非連続性」というか、数と数の間の可能性を切り捨てているというイメージなのですが。ああ、突き詰めるとよく分かんなくなってきた。

 

六つ切りの一切り半は八つ切りの二切りと同じ 朝食はパン (大森正道)

 

って面白いですね。つい計算しちゃうよね。

 

三角形(さんかく)の一辺は二辺より短かしと炎天の近道玉の汗あり (大建雄志郎)

 

も面白いな。SHARLOCK思い出したわ。変な道走り回ってる時にいきなり視点が俯瞰になるの。こういう、自分をどこか俯瞰的に見てる歌ってすごいなぁっていつも思います。こういう目線好き。

 

 

2000錠飲んでもぼくは死ねないし正気を失うのも多分無理 (yuifall)

「狂ってる」首振るきみは白鍵の間の音を捨てるみたいに (yuifall)