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百人一首現代語訳

百人一首現代語訳 感想21

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 八十九・玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする 新古今和歌集 巻一一・恋一・一〇三四 詞書「百首歌の中に、忍ぶる恋を」 式子内親王 この命を終わるなら終わってしまえ…

百人一首現代語訳 感想20

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 七十七・瀬をはやみ岩にせかかる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ 詞花和歌集 巻七・恋上・二二九 詞書「題知らず」 崇徳院 瀬の流れが速いので、岩にせきとめられても水は分かれてまた一つ…

百人一首現代語訳 感想19

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 七十二・音に聞く高師の浜のあだ波はかけじや袖のぬれもこそすれ 金葉和歌集 巻八・恋下・四六九 詞書「返し」。前歌「堀川院御時艶書合によめる 中納言俊忠 人しれぬ思ひありその浦風に波の…

百人一首現代語訳 感想18

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 六十七・春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなくたたむ名こそ惜しけれ 千載和歌集 巻一六・雑上・九六四 詞書「二月ばかり月明き夜、二条院にて人あまた居明して物語などし侍りけるに、内侍周防…

百人一首現代語訳 感想17

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 六十五・恨みわび干さぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ 後拾遺和歌集 巻一四・恋四・八一五 詞書「永承六年内裏歌合に」 相模 つれない人を恨んで涙にかわく間もない袖、そのう…

百人一首現代語訳 感想16

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 六十・大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立 金葉和歌集 巻九・雑上・五四三 詞書「和泉式部保昌に具して丹後国に侍りけるころ、都に歌合のありけるに、小式部内侍歌よみにとら…

百人一首現代語訳 感想15

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 五十七・めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲隠れにし夜半の月影 新古今和歌集 巻一六・雑上・一四九九 詞書「はやくより童友達に侍りける人の、年ごろ経てゆきあひたる、ほのかにて、七…

百人一首現代語訳 感想14

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 五十四・忘れじのゆく末まではかたければ今日を限りの命ともがな 新古今和歌集 巻一三・恋三・一一四九 詞書「中関白通ひそめ侍りけるころ」 儀同三司母 「忘れまい」と言ったあなたの言葉が…

百人一首現代語訳 感想13

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 五十一・かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを 後拾遺和歌集 巻一一・恋一・六一二 詞書「女にはじめてつはかしける」 藤原実方朝臣 「このように激しく恋している」…

百人一首現代語訳 感想12

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 五十・君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな 後拾遺和歌集 巻一二・恋二・六六九 詞書「女のもとより帰りてつかはしける」 藤原義孝 あなたに逢うためなら惜しくないと思っ…

百人一首現代語訳 感想11

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 四十三・逢ひ見てののちの心にくらぶれば昔はものを思はざりけり 拾遺和歌集 巻一二・恋二・七一〇 詞書「題しらず」 権中納言敦忠 逢って契りを結んでから心におこった変化にくらべると、 以…

百人一首現代語訳 感想10

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 四十一・恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか 拾遺和歌集 巻一一・恋一・六二一 詞書「天暦御時の歌合」 壬生忠見 私が恋をしているという噂が早くも立ってしまった。 …

百人一首現代語訳 感想9

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 四十・忍れど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで 拾遺和歌集 巻一一・恋一・六二二 詞書「天暦御時の歌合」 平兼盛 隠してきたのだけれど顔色に出てしまった。 「恋しているのか…

百人一首現代語訳 感想8

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 三十八・忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな 拾遺和歌集 巻一四・恋四・八七〇 詞書「題しらず」 右近 忘れられてゆく私のことはいい。心変わりしないと誓ったあなたの命…

百人一首現代語訳 感想7

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 三十七・白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける 後撰和歌集 巻六・秋中・三〇八 詞書「延喜の御時歌めしければ」 文屋朝康 白露に風が吹いて、秋の野は一面、 ぬき通した緒が…

百人一首現代語訳 感想6

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 三十三・ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ 古今和歌集 巻二・春下・八四 詞書「桜の花の散るをよめる」 紀友則 のどかな春の日の光の中を、落ち着いた心もなく、 桜の花は…

百人一首現代語訳 感想5

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 二十一・今来むといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな 新古今和歌集 巻一四・恋四・六九一 詞書「題知らず」 素性法師 「すぐ行こう」という言葉を信じたばかりに、長月の 有明の…

百人一首現代語訳 感想4

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 十九・難波潟短き葦のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや 新古今和歌集 巻一一・恋一・一〇四九 詞書「題しらず」 伊勢 難波潟に生えている芦の節と節の間のように、短いわずかな間もあ…

百人一首現代語訳 感想3

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 十四・陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに 古今和歌集 巻一四・恋四・七二四 詞書「題しらず」 河原左大臣 陸奥の染の名産・しのぶもじずりの模様のように、 乱れに乱れ…

百人一首現代語訳 感想2

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 十三・筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞ積もりて淵となりぬる 後撰和歌集 巻一一・恋三・七七六 詞書「釣殿の御子につかはしける」 陽成院 筑波山から流れ落ちる男女川のように、はじめは浅…

百人一首現代語訳 感想1

百人一首現代語訳 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 九・花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に 古今和歌集 巻二・春下・一一三 詞書「題しらず」 小野小町 花の美しさは春の長雨にあせてしまった。 私が物思いにふけって…

百人一首現代語訳 感想の注意書き

翻訳の面白さ① 外国詩の邦訳 - いろいろ感想を書いてみるブログ 翻訳の面白さ② 百人一首の現代語訳 - いろいろ感想を書いてみるブログ の記事に書いたように、翻訳の面白さを「百人一首現代語訳」から色々考えてみました。 百人一首現代語訳 カテゴリーの記…

翻訳の面白さ② 百人一首の現代語訳

北村薫の『詩歌の待ち伏せ』で『口語訳詩で味わう百人一首』(佐佐木幸綱)と『百人一首がよくわかる』(橋本治)が面白いなと思ったのでそれぞれ買って読んでみました。 『口語訳詩で味わう百人一首』は、百人一首の歌の意味を分かりやすく説明してくれてい…