左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
内山晶太
ロスジェネ世代感漂う歌ですね。解説が面白かったです。
分かりやすい成功体験なんてない現代のリアルなライフスタイル、どこにでもいるようないたって匿名的な都市生活者の姿
を描いた歌だと。確かに、
列車より見ゆる民家の窓、他者の食卓はいたく澄みとおりたり
みたいな、自分はそこにいない、という感じの歌が多いなと思いました。切り離されて、ワンルームで一人で生きていて、このまま何となく生きて孤独死するんだろうな、みたいな、ちょっと自分の人生と距離がある感じ。
コンビニに買うおにぎりを吟味せりかなしみはただの速度にすぎず
がすごく好きなのですが、自分のかなしみですらちょっと俯瞰してるんだよね。このずらっと並んだおにぎりのどれを選んでもそう変わりはないように、自分の心の痛みだって大したことないって。ただ通り過ぎていく一瞬の速度、風みたいな何かにすぎないって。
松木秀のコンビニの歌が郊外のアンドロイドっぽいのに対して、この人のコンビニの歌は都会の匿名っぽさがあります。
今日と明日を取り換えたって気づかないサラダチキンの味の違いも (yuifall)
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