左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
笹井宏之②
解説に
思いもよらないモチーフ同士をぶつけ合う二物衝突の技法を用いて、幻想的な世界を描く
とてつもないミクロととてつもないマクロだけで世界が構成されていて、中間がない
とあって、
「雨だねぇ こんでんえいねんしざいほう何年だったか思い出せそう?」
とか
拾ったら手紙のようで開いたらあなたのようでもう見れません
とか…、なんかよく分からないけど胸がぎゅっとします。
午前五時 すべてのマンホールのふたが吹き飛んでとなりと入れ替わる
とかとぼけた感じですごいかわいいし、
ひきつづき私は私であるでしょう ところによりあなたをともなって
これは、天気予報的なのに恋の歌になってて大好き。
詩歌集『えーえんとくちから』を読むと、この人はずっと病気をしていて、そして交際していた恋人がいたようなのですが、彼女の「おはよう」が「うすくて青い色」「夏草の匂い」と感じる、と書いてあって、なんだか息ができないような苦しさを感じました。Take my breath awayってこのことだな。ああ、どうしてこの人は亡くなってしまったんだろう、って胸が締め付けられました。
こんなところで私が願うことじゃないのは分かってますが、「私は私であって、ところにより彼女と一緒に」いてほしかった。
雨の朝拾った骨の味でした 缶に入った氷砂糖は (yuifall)
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