「一首鑑賞」の注意書きです。
199.滝までの獣の道を走り抜けあの子は歌手になるのでしょうね
(笹井宏之)
砂子屋書房「一首鑑賞」で永井祐が取り上げていました。
「登竜門」という言葉が思い浮かぶ短歌です。作者は笹井宏之でした。「あの子」は明らかに厳しい道に向かっているにも関わらず、穏やかで優しいハッピーエンドが約束されているような感じを受けるのは、「なるのでしょうね」という言い方だろうなと。「なるのでしょうか」だと「なれないかも」って気がしますが、「なるのでしょうね」だと「なるんだな」って安心して眠れる感じです。
子供の頃、慣用句とかことわざとかの意味や成り立ちを説明する絵本が好きで、何度も読んだのを思い出しました。「登竜門」では、あの滝を登り切れば竜になれる、ってたくさんの鯉たちが挑戦するんだけど登れないんです。その絵本では主人公の鯉が竜になるんじゃなくて、何度も何度も挑戦して傷だらけになった鯉が滝を登って竜になるまでを主人公が見守る、という流れだったのを覚えています。「自分もいつかはああなりたい」という憧れ目線だったので(先輩!みたいな)この歌のニュアンスとは違うんですが、この歌を読むとその絵本のことを思い出します。
この歌ではもっと天から見守っているような雰囲気でしょうか。
このコラムでは鑑賞文以外の個人的なことも書いてあって面白かったです。
いつも就寝前の二時間でこのブログを書きます。
選歌からはじめて二時間以内に終わらないとそのまま睡眠時間が減っていくという、一種のタイムアタックゲームみたいにやっています。
半年やっていたら、だんだんそのような方式に固まってきました。
どうでもいい話ですみません。
私はブログをほとんど毎日更新しますが、基本的には書けるときに書けるだけ書いてしまい、アップする前に手直しする形を取っています。二時間前に書き始めてそのままアップするなんて胆力ないので、このコラム読んでて「すげー」ってなりました。精神力が違いすぎる。趣味と仕事の違い?プロだから2時間前でも人にお見せできる文章が書けるのか。いや、むしろアマチュアの方がいくらでも適当に書いて短時間で載せることができるのでは?やはり仕事うんぬんというよりも精神性の違いな気がする。
ちなみにこの記事を最初に書いたリアルタイムの日にちは2023年の1月17日ですが、アップするのはいつになるんでしょうね。
気にせずに、いいよ、あなたと不滅とをのせて時間がゆがみはじめる (yuifall)
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