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短歌タイムカプセル-馬場あき子 感想

書肆侃侃房 出版 東直子佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

馬場あき子

 

住みながらこの国だんだん遠くなるてんじんさまのほそみちのやう

 

 「通りゃんせ」ですね。この歌はどうしても不気味な感じが付き纏うのですが、日本の将来を憂いている感じなのかなぁ。寺山修司

 

マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや

 

を彷彿とさせます。他にも、

 

使ひ捨てのやうに手荒く住んでゐる地球さびしく梅咲きにけり

 

という歌もあり、地球や日本について、このままではよくないのではないかという焦燥を感じます。

 

ふたたびの余震をさまりて点す卓人間が火を得し夜の深さに

 

 この歌も、2013年の歌集の作品のようなので多分この「余震」は東日本大震災の余震かと思うのですが、ということは「点す卓」の「火」は原発から得た灯りに照らされた「夜の深さ」を示唆してるのかなと感じました。単純に真の暗闇を知ってしまうと火に照らされた夜がより深く感じる、とも読めるのですが。。

 

 

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