書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
杉﨑恒夫
晴れ上がる銀河宇宙のさびしさはたましいを掛けておく釘がない
この人の歌は谷川俊太郎っぽいイメージです!『二十億光年の孤独』を思い出しました。
宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である
なんだよね。そして思わずくしゃみをしちゃうの。
かなしみよりもっとも無縁のところにてりんごの芯が密を貯めいる
も、なんか谷川俊太郎の『かなしみ』を思い出した。だけど、「りんごの芯」は「かなしみよりもっとも無縁」なんですね。確かに、林檎の芯のきんいろで甘酸っぱくて幸せな感じ、かなしみとは遠いのかもなぁ。まあ林檎が新鮮な時に限りますけど…。
星のかけらといわれるぼくがいつどこでかなしみなど背負ったのだろう
という歌もあり、この人は生涯少年だったのかなぁと思いました。
別れ際のくちづけのやうなさびしさを小瓶に詰めて月へとかざす (yuifall)
その雲の名前を知らずあの愛の場所を知らないまま死ぬだろう (yuifall)