書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
永井陽子
生きているどのことよりも明々といま胸にある海までの距離
愛知県出身の人です。胸の中にある海は穏やかな湾なのかな。この海は現実の海だろうか、それとも何か生命の源的な象徴的な存在としての海だろうか。母なる海的な。やっぱりどうしてもその人のふるさとを重ねてしまうので、伊勢湾か三河湾の穏やかな海なのかなって気がしてます。
この人の歌には「二分音符」とか「フォルテ」「♪」なんかが入っていて、音楽に造詣が深い人なのかなって思いながら読みました。なんとなく歌もリズム感重視な感じがあり、
ゆふぐれに櫛をひろへりゆふぐれの櫛はわたしにひろはれしのみ
とか
ひまはりのアンダルシアはとほけれどとほけれどアンダルシアのひまはり
とか、繰り返すリズムの心地よさがあります。
思ひ出の手綱を引きし一葉の 海、定期船、そして頬擦り (yuifall)