書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
十八歳の聖橋から見たものを僕はどれだけ言えるだろうか
18歳の頃自分はどこで何をしていただろう。聖橋は神田川にある橋で、この人は山口県出身なので、進学か何かで東京に来たんでしょうか?プロフィールを調べてないので完全に想像です。
自分も進学で故郷を離れて、一人暮らしを始めて、断片的に思い出す出来事はだいたい春か夏のことです。あの頃見たものをどれだけ覚えているだろう、あの時の気持ちをどれだけ覚えているだろう。若い頃なんて馬鹿だなって思うけど、もうあんな思考ができないことが残念なときもあります。
ほんとうはありとあらゆるひとたちが僕はしんじつ好きでした
これも真っすぐで透明感があってちょっと痛々しくて青春っぽいですね。
この歌集、『風の吹く日にベランダにいる』、このタイトルどこかで聞いたことあるんだよなぁ。知っているはずなのに思い出せない。歌だけ見ていたら男性かと思っていたのですが女性なのですね。歌集の写真見てちょっとびっくりしました。でも何度も読んでみるとなんだか雰囲気的に銀色夏生と似た空気感な気がして、やっぱり女性なのかなって気もする。
しらじらという空の様子は死んでゆく肉の臭いにすこし似ている
も好きです。なんか全体的に10代後半から20代前半の感じで、寝ないで飲んだり遊んだりした朝のだるさを思い出しました。
15キロ泳いだ後で抱き合った シーツの色が思い出せない (yuifall)
ホワイトバランスのずれた網膜で振り向いたとき いてほしかった (yuifall)