講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。
間違いのある歌 その2
これも面白い!
あのね、アーサー昔東北で摘んだだろ鬼の脳(なづき)のやうな桑の実 (岡井隆)
これ、作者は「鬼」じゃなくて「兎」って書いたのに「鬼」に読み間違えられて採用され、作者も「いいじゃん」ってなったんだってー。すごいエピソードだなぁ。ミラクル!鬼の脳って迫力あるな!確かに桑の実って脳っぽいですね。そして「うさぎ」だと字余りだけど「おに」だとぴったりで、語感もいいですね。
実印をごみ箱に捨て実印の袋にティッシュ仕舞った右手 (岡野大嗣)
もあるあるで笑った。こういう経験絶対みんなあると思うけど、歌にしちゃうのすごいよなー。そして
<私>ではなく「右手」が勝手にやったかのような書きぶりが面白い。
って解説も面白いなって思いました。
間違って降りてしまった駅だから改札できみが待ってる気がする (鈴木美紀子)
は切ないな…。正しい駅にはきみは待ってないってことだもんね。でも間違った駅に降りるっていうとどうしても「きさらぎ駅」が思い浮かぶよね(笑)。
耳鳴りのような潮騒 いや違う 脱水中の洗濯機かも (yuifall)