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ぼくの短歌ノート-「暗示」 感想

講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 暗示

 

 孫を蠅に置き換えて詠むってすごいよなぁ…。蠅なんて思いもよらないもん…。

 この回も面白いです。「暗示」なので、解説と私の受け止め方が違ってたりして面白かった。

 

三階の教室に来たスズメバチ職員室は一階にある (ハレヤワタル)

 

って、解説では

 

生徒の危機に先生は気づかない。騒ぎが起こってから駆けつけても間に合わない。(中略)スズメバチ」とは生徒のひとりひとりを襲う運命が可視化されたものではないか。

 

とあって、そうかーって思いました。私は、直感的に、一階の職員室に行けばいいのになんで行かねえんだよって読んでたから(笑)。てかスズメバチが教室に来たくらいでいちいち先生呼ばなくない?先生呼んでどうすんの?イケてる系女子が「きゃあ」って叫んでその他は無言で逃げ回り、誰かが追い出して英雄視されるか勝手に出てくって感じでは(笑)。

 

 だけど、

 

廃品を集めてめぐる軽トラはわたしの前でゆっくり止まる (鈴木美紀子)

 

なんかはあからさますぎて「暗示」とは言わないのではないかと感じましたが。。

 

「わたし」が「廃品」だという感覚の暗示

 

と解説にはあったけど、他にどんな読み方ができるのか逆に分からん。

 とはいえ、

 

その時刻なれば未だにはためきを弛めぬ旗を降ろさむとする (丹羽利一)

 

なんかは暗示的すぎてどう読めばいいのかも私のような若輩者には分かりません…。でも、「読み手の数だけ解がある」って解説にあったから、自分的な「その時刻」「旗」を当てはめて読んでもいいということなのかも。

 

 

体育館のトイレでうちあけられたとき「あたしも」って言えなくてごめんね (yuifall)