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現代歌人ファイル その108-光森裕樹 感想

山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

光森裕樹 

bokutachi.hatenadiary.jp

行方不明の少女を捜すこゑに似て Virus.MSWord.Melissa

 

万物はウェブ上にあり anonymous FTP(フアイル・トランスフアー・プロトコル

 

 この人の歌はすごいかっこいいですね。『短歌タイムカプセル』『桜前線開架宣言』に続く3度目の登場ですが(『ぼくの短歌ノート』でも時々登場しました)、読めば読むだけかっこいいです。

 Virus.MSWord.Melissaでググったらなんか懐かしい気持ちになってしまった…。大量にメール送るウイルスとか確かに昔あったような…。anonymous FTPの歌もかっこいいです。ファイル共有アプリケーションWinMXとかあったなーって思いだしてしまいました。現代のSNS誹謗中傷時代も未来からしてみたら、懐かしいなー、なんて野蛮な時代だったんだろうって思われるかもしれません。

 

 何度か書いているのですが私が読んでるアンソロジーが時系列的に逆なので、『短歌タイムカプセル』ではこの人も父親になっていて、そっちの歌を先に読んだので、こういう初期の歌が新鮮でさらにかっこよく感じます。解説には

 

作風はスマートでスタイリッシュという言葉がぴったり来る。ドイツ留学経験があるらしいことが関係しているのかはわからないが、大陸的なさわやかな空気と繊細で端正な雰囲気が同居している感覚である。

 

また、

 

 文語をしっかりと用いると老成した印象を与えやすいが、光森の歌は文語脈の歌でも清新で若々しい印象がある。「少年」や「思春期」、もしくはそれらを強く想起させるモチーフを好んで詠んでいることがその要因だろう。

 

とあります。

 

 

致死量に達する予感みちてなほ吸ひこむほどにあまきはるかぜ

 

 前に紹介した歌もたくさんあるのでそれは引用しませんがどれもかっこよく、これとかすごい好き。元のページではいわゆる「ただごと歌」に相当する歌なんかもたくさん紹介されていて、

 

友の名で予約したれば友の名を名告りてひとり座る長椅子

 

みたいな感じでかっこいいのに面白いです。

 

 

ROCR実行せよきみに描いて探すcriterion (yuifall)

生き急ぐ 届かないから美しい致死量の恋持て余してさ (yuifall)

*『ロマンスがありあまる』(ゲスの極み乙女。

 

 

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