書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
佐藤りえ
一人でも生きられるけどトーストにおそろしいほど塗るマーガリン
これは、どうして「けど」なんだろうな。一人でも生きられる「から」自分が食べるトーストにおそろしいほどマーガリンを塗るのなら分かる感じがするのですが、「けど」ってことは、一人でも生きられるけど(あなたの)トーストにマーガリンを塗っている、ってことなんだろうか?しかし、マーガリンをおそろしいほど塗る行為には健康を気遣ってる感じがしないし、誰かに(ましてや「一緒に生きたい」誰かに)作ってあげてるような雰囲気ではないですね。それとも一人でも生きられるけど何となく破滅的行為に走ってしまう的な感じなんだろうか。
こういうものは、考えて考えてずっと考えてるとあるとき腑に落ちる瞬間が来るので、それまで置いておこうと思います。
おおこんな吹雪の最中何を思い君は歯ブラシを買いに行く
っていうのも好きです。でもやっぱりこれを見ると、一緒に暮らす誰かがいるのかな、って感じもしますね。まったく別々のストーリー上の歌なのかもしれませんが。吹雪の中歯ブラシ買いに行くの別にいいけどな。行ってらっしゃい。
ところで
もし君が死ぬ時ほんの一瞬をぼくで満たしてくれればいいや
ってありますけど、死ぬとき自分で満たしてくれってわりとガチな願いじゃないですかね…。「いいや」って簡単に言うなぁ(笑)!
クリームは混ぜない方が好きなんだ分かち合えない空がほしいよ (yuifall)
二の腕がとても細くてかなしみを僕に分けてはくれないひとだ (yuifall)