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「一首鑑賞」-247

「一首鑑賞」の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

247.ぼくらになかった未来かあ……ウケる 考える 電車が川を渡りきるまで

 (初谷むい)

 

 砂子屋書房「一首鑑賞」コーナーで山下翔が紹介していました。

sunagoya.com

 なんかこういう歌好きなんですよね…。理由は自分でもよく分かりません。「ウケる」がたまらないし、その後で一応「考える」んだけど、「電車が川を渡りきるまで」のごく短い間で、「考える」っていうよりも数秒間脳裏をかすめる、という感じでしょうか。その内容は「ぼくらになかった未来」です。

 これって、どういう「未来」なのかな。ごく個人的な、「あの時あの人と別れなければ…」的なやつなのか、それとも少子化とか環境破壊とかそういう大問題的なやつなのか。やっぱ個人的なことがらなのかな。「ウケる」って言ってるわけだし。

 

 ところで鑑賞文を読んでいて当たり前のことにはっと気づいたのですが、これは2人の人間が対話しているシーンなんですね。「ぼく」と「誰か」がいて、「こんな未来もあったかもね」って前振りがあって、で「ぼくらになかった未来かあ…」と。ちょっと笑える、ってなってから、考えてみる。電車が川を渡り切るまで。渡り切ったところで別の話題になる。

 この冷めた感じが好きなのかもな、って思いました。そんな未来なかったけどね、っていう。そして、今この瞬間も、よりよい未来を選び取ろうという感じはしません。すごい適当にまとめちゃうとそういう時代というか、どうせ明るい未来なんてないけどね、みたいな…。個人的なことなのかもしれないけど、その裏にはこの国の閉塞感みたいなものも背景にあるようにも感じました。そんな風には読まれたくないかもですが…。

 

 

Alternative Universe そこじゃケモミミ生えててさ、きみのうなじを噛んでたりして (yuifall)

 

 

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