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現代歌人ファイル その5-横山未来子 感想

山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

横山未来子 

bokutachi.hatenadiary.jp

瞬間のやはらかき笑み受くるたび水切りさるるわれと思へり

 

 この言葉の使い方、この人の歌を見るたびすごいなーって思います。彼の笑みは「瞬間」なんだから、多分、片思いなんだと思う。ずっと見つめてるから時々目があうの。そして彼が柔らかく微笑んで、そのたびに「水切りされる」んですよ!彼と目があって微笑むまでは想像可能だけど、「水切り」は出てこないですよね。。

 イメージ的には新鮮な野菜なのかな。自分をそういうフレッシュな食べ物に例えられる感性が眩しいし、あの、水切りするときの、ざっ、ざっ、と振る感じ、ざるの上で鮮やかなレタスが軽やかに跳ねて、水が飛び散って、っていうイメージで心臓が震えます。

 解説に

 

 横山の歌の特徴は、なんといってもその清涼感。一読した瞬間に体内に風が吹き抜けていくようなさわやかさがあります。このような身体感覚あふれる歌というのは理論的に作れるものでもなく、天性としか言いようがありません。

 

とあります。本当に、すごいですよね。

 

胸もとに水の反照うけて立つきみの四囲より啓(ひら)かるる夏

 

 これも「水」ですね。なんとなく瑞々しい歌が多いなーくらいにしか思ってなかったのですが、解説を読んでびっくりした。

 

歌の「水分」が非常に多く感じられるのは実際に「水」というモチーフが頻出するということばかりではなく、決して涙を流さぬようぎりぎりまでこらえている感覚が、逆に体内における水分の増加として伝わってくるのかもしれません。

 

って、すごいな。考察すごいです。そこまで深く考えてなかったよ。そっかぁ、切ない恋なんだね。

 

 

特異点より雨足は遠のいて蝋色閉づればきみが滲みゆく (yuifall)

 

 

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