左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
横山未来子②
明るい光の中で時間が止まってしまったみたいな、水中で世界が静止しているみたいな質感の歌が好きで、
音のなき世界にありて唇を読むごとく君を視つめてゐたり
とか、ちょっと夢っぽいです。背景が明るくて、君がこっちに向かって微笑んでて、何か言ってるんだけど聞き取れないの。「え、なに、」って言ってる自分の声だけが聞こえてて、君は何度か繰り返して、唇を読もうとするんだけど、何を言っているか分からないまま目がさめてしまうんだ。アニメっぽいな、私の発想(笑)。
恋の歌だけじゃなくて、
隧道をいくつか通り来しやうにあかるく暗くなれり心は
なんて、本当にすっと心にしみてくるよね。ああ、そうだなぁって。普段から普通に感じていることを言葉にしてもらえることの美しさ、尊さを感じます。みんな思ってるのに言葉にはなってこなかったことなんだもん。
県道に光の満ちて記憶よりなほ赤々と開く山茶花 (yuifall)
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