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桜前線開架宣言-横山未来子 感想

左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 横山未来子

 

 すっと体に染み込んでくるような綺麗で透明感のある歌を詠む人ですね。この真っすぐで瑞々しい感じが好きです。なんか変にねじくれてないもん(笑)。

 このアンソロジー、「Born after 1970」だからか、なんとなく前衛的でシュールな感じの作品やサブカル系耽美、もしくは逆に古典回帰みたいな美しい作品が多いのですが、この人の歌は現代風でありながら正統派でしかも若々しく、言葉は悪いですが万人受けする感じです。老若男女好きになるよ。

 

傍らにまねき寄せられひとときは空向く茎の素直さとなる

 

とか、愛おしいよ。私が男子だったらこういう女の子に恋するな。なんかちょっと儚げで健気な感じでさ、しかも素直で、俺が守ってやらなきゃみたいな(笑)。恋の歌がわりと主体的なのもよくて、

 

あをき血を透かせる雨後の葉のごとく鮮しく(あたらしく)見る半袖のきみ

 

なんか、めちゃくちゃきゅんとするよね。

 6月頃、梅雨時で、衣替えの季節で、半袖になった彼の腕に血管が浮いているのを見てるの。葉脈みたいだな、って。高校生くらいの男の子を連想したわ。Yシャツでさ、けっこう背が高くて、腕がセクシーだなーって。ときめく!そして文章の格調高さがまたいいです。こっちは女学生で、三つ編みで、遠くから彼を見てるだけなんだ。無限に妄想ワールドが広がります(笑)。

 

 

朝顔の花咲くやうに振り返るきみははつなつのベランダにをり (yuifall)

 

 

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