左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
この人の歌がすごいなって思うのは、加藤千恵とか野口あや子と違って「ごく普通」の女の子の日常が詩になってるってことです。青春の歌なのに、自意識が過剰じゃないんだよね。漫画っぽくなくて、リアルっぽいの。そこにいる女の子って感じ。
噴水に乱反射する光ありまだ性愛を知らないわたし
って言える潔さすごいよなぁ。高校生までのセックスにはちょっと、何て言うか(現代日本において、ですけど)酒、煙草、ピアスと同じ嗜好品としての空気感がありますし、それを「知らない」と言い切れる真っすぐさがとても眩しいなと思います。
日記には本当のことは書けなくて海の底までわが影落とす
とか、分かるもん…。日記に本当のことを書けないっていう青春の自意識過剰さが詠われてるのに、まっすぐ過ぎて全然自意識過剰じゃない詩になってて、ああ、なんてきらきらしてるんだろう、ってこっちも素直になってしまいます。なんかうまく説明できてないな…。
海底に行く約束をした日記、学習机に忘れたみたい (yuifall)
桜前線開架宣言-小島なお 感想2 - いろいろ感想を書いてみるブログ