左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
澤村斉美②
後半は校閲者としての歌が多く、雑誌や本ではなくて新聞の仕事なのかな?
八月は被爆と野球に追ひまくられ眼痺れるころ朝刊が成る
とあります。確かに、八月って戦争か甲子園だな…。今年は甲子園中止ですけどね…。(2020年の初夏頃に書いたので…。今年はどうなるんだろうか?)そう考えると、毎年同じ特集できるっていうのは平和を維持できている証拠なのかも…。
うどん食べてゐる間に死者の数は増えゲラにあたらしき数字が入る
解説にもありましたが、「訃報記事」を主に担当しているようです。この人の歌、こういった瞬間を切り取る目線を持ちながらも変なウェットさを出してこないところが好きなのかも。
わたしの心にもつとも近き定型文1を選びて弔電を打つ
とか、すごい好きだもん。新聞とか弔電って定型的だけど、その奥にはやっぱりそれを作ったり送ったりする人がいて、その人には感情があって、っていうことが淡々と語られてて、このバランス感覚が好みなんだなと思いました。言葉を丁寧に選んでいる感じとか。
番号で人を呼びつゝ生涯のピリオドのみを丁寧に書く (yuifall)
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