左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
大松達知
『短歌タイムカプセル』の感想の時、奥村晃作の感想で「そのまんまなのに面白い」と書いたのですが、「ただごと歌」というジャンルがあるということをこの本で初めて知りました。特に何ということもない当たり前のことを短歌にしてしまう、「だから何だよ!」という歌だそうです。「だから何?」じゃなくて「だから何だよ!」っていう歌のことなんですって。わー分かるー(笑)。「だから何?」になっちゃうもん、私が作ると。
この人の歌は、「だから何だよ!」っていうよりも、ああー、そっかぁ…、そういう視点か…。だよね、みたいな感じです。すごい読みやすくて面白いんですよ。
とかさー。
原子力発電所→→が爆発して生き物が死に絶え、何億年経って→→原始林になっちゃいました、終。みたいなストーリーっぽいですよね。「つぎ」なのに、大いなる余白がある感じが。つれづれに広辞苑を読んでるのも面白いです。サンキュータツオの『国語辞典の遊び方』って本面白いんでめっちゃおすすめです。国語辞典って読むと楽しいよね!
この中で、
窓掃除業者がわれに放水すもちろん窓を隔ててゐるが
は「だから何だよ!」系かな(笑)。そりゃあそうだろう、と思いながらも、窓を隔てないで放水されたらどうなっちゃうんだろうというどきどき感を感じさせてくれます。水圧!
窓側の「window」は分かるけど通路側の「aisle」がいつも読めない (yuifall)
閉鎖された結核隔離病棟を夜歩いたが何も起こらず (yuifall)
短歌タイムカプセル-大松達知 感想 - いろいろ感想を書いてみるブログ