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桜前線開架宣言-大松達知 感想2

左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

大松達知②

 

この人は学校の先生のようで(前も書いたけど)、英語の先生みたいなのですが、

 

何かゆゑかひとりで池を五周する人あり算数の入試問題に

 

っていう歌もあって面白いです。確かにさー、算数の問題って国語として考えると笑えるの多いですよね。何分後に追いかけてどこで追いつくとか、つるかめ算とか(つるとかめの足の数って見りゃあ分かるやろ。ってか、かめの足って見えんの??)、何個の何かを何人で分けるとかさー(笑)。まあでも人間の行動って極めて非合理的なので、池を五周することもありますよね。座り仕事に飽きて職場の周り十周したことあるもん(笑)。

 というか数学の文章問題結構好きでした。一体こんな発想どこから出てきたんだろうなーって考えると面白すぎるし。まあそれを言ったら物理とか生物とかもさ、高校までレベルだとほぼ全てが仮想空間やし。摩擦はないものになってるし、遺伝の浸透率とか無視されてるし。つまり我々は算数や物理や生物のイデアを学んでいるわけですね。

 

 あと腐女子的にどきっとしたのは

 

男ゆゑ男への恋が実らずと高校生が保健室で泣く

 

ってやつかな。これは本当に主観が切り離されているので、この人がこの事象についてどう思っているのか全く伝わらなくて、勝手に色々考えてしまいます。同情的なのか、それともまあ別に異性であっても恋って実らないことあるよっていう冷めた視点なのか、男子校の高校生だし一時の気の迷いじゃない?って突き放してるのか、カミングアウトできたんだから第一歩だよ、って温かいまなざしなのか。

 まー、でも、想像しようがないですよね。男女であってもそうでなくても、結局は人対人だから、この男の子と相手の子の関係が分かんないし。

 

一生を終へたことなきわたくしが英語は一生役立つと説く

 

も面白いなー。確かにAIの台頭などによって翻訳技術が進歩すると英語は学ばなくてもよくなるかもしれないし(そうは思ってませんけど)、一生かどうかなんて分からないよね。一生を終えたことある人っていないもんね。この発想が好きです。

 

 

犬じゃなく花壇でもなく五分ならみかんは何分 なんて好きだよ♡ (yuifall)

死にかけた蝶々のため最短で川岸に着くPを求める (yuifall)

 

 

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