「短歌と俳句の五十番勝負」 感想の注意書きです。
動き出す前に駅弁食べるなとアナウンスあり 七色稲荷 (穂村弘)
「動き出す前に駅弁食べるな」分かるなー。アナウンスまでされちゃうっていう異次元な感じが好きです。こういうちょっとだけ現実とずれた感じ、パラレルワールドに紛れ込んでしまったみたいな薄ぼんやりとした怖さがあって心惹かれます。その流れで「七色稲荷」も架空の食べ物に思えますが、実際にあるらしくてさらにそういう名前の神社もあるそうです(穂村弘のエッセイにも書いてありましたが、一応ググって裏をとりました笑)。でも、「七色稲荷」の現実なのか夢なのか分からないセンスがいいな、って思います。
このエッセイ、内容を要約すると、電車に乗って遠出をするとき(文脈的には東京から西側に向かうとき)にどのタイミングでお弁当を食べるか、というだけなんですが面白いです。
おあずけ状態のまま、がまんしてがまんして、動き出したとたんにばりばりと開いて食べ始める。東海道新幹線でいうと新横浜までには確実に食べ終わっている。首都圏じゃん、と云われた。そうだなあ。遠くで食べれば食べるほどおいしくて隣の人や車掌さんにも好感を持たれるのに。
とあります。そ、そうか??遠くで食べれば食べるほどおいしくて隣の人や車掌さんにも好感を持たれる???そんなこと考えたこともないな。というか、隣の人が弁当を食べるタイミングなんて(うるさいとか臭いとかじゃなければ)気にしたことなかった。まあ、強いて言うなら確かに電車が動き出す前だったら気になるかもしれません。
エッセイには、「駅弁は富士山を見ながら食べるもの」と考えていてそれ以外のタイミングだと怒り出すおじさんも登場しますが、そんな人実在するのか…。信じられん。まあ確かに東海道新幹線でいうと新横浜から名古屋の間めっちゃ遠いからその間に食べた方がいいのかもしれませんが…。
でも、どのタイミングでお弁当食べるかなんで自由だよね!
人生のメニュウをひらき最初からアイスクリームにしたい朝です (藤本玲未)
を思い出しました。
「一分で稲荷大社」を眺めてるそれじゃ私は四文字くらい (yuifall)