「一首鑑賞」の注意書きです。
180.「smileの綴りはスミレとおぼえてた」どうりでそんなふうに微笑む
(西村曜)
砂子屋書房「一首鑑賞」で井上法子が取り上げていました。
この歌の引用元の歌集、『コンビニに生まれ変わってしまっても』は色々なところでしばしば目にしていて、ぱっと見目を引くので気になっていたタイトルでした。中身を全然知らなかったのですが、この歌すごくいいなって思ってこの「一首鑑賞」のページを見て、他に引用されている歌もとてもよくて歌集読みたくなりました。
これ、本当に誰かに言われたことなのかなぁ。それとも創作かなぁ。Smileが「スミレ」って考えたこと全然なかったので、なんてすごい歌なんだろうと思ってどきどきした。突飛な比喩とか全然関連性のない言葉をつなげてくるような歌も嫌いじゃないけど、みんなが知っていたようなことを掬い取ってくるような歌を見ると、ああ、本当にすごいなって嘆息します。「どうりでそんなふうに微笑む」という下の句もとてもいいです。この歌一度読んだら忘れない気がする。
このページでは他に
きみのこともっとしにたい 青空の青そのものが神さまの誤字
死にたい、はいつか詩になる飛行機は飛行機雲を空においてく
などが引用されていて、もしかしたら(歌集読んでないので分からないけど)千葉聡の歌に似てるのかも、って思った。だから一見してすごく好きだと感じたのかも。
真夜中の屋上に風「さみしさ」の「さ」と「さ」の距離のままの僕たち (千葉聡)
明日消えてゆく詩のように抱き合った非常階段から夏になる (千葉聡)
みたいな歌。
「一首鑑賞」コーナーしばらく読んで、そのうち歌集読むのにチャレンジしようかなって思ってるんですが、この歌集は買ってみようかなって思いました。
永遠にastronomers(天文学者)じゃいられない いつか no more stars (見るのもうんざり)になる (yuifall)