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「一首鑑賞」-51

「一首鑑賞」の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

51.仰ぎ見て我が天才を疑わず天地ひれ伏せ十六の夏

 (榎本ナリコ

 

 砂子屋書房「一首鑑賞」で吉田隼人が紹介していた歌です。

sunagoya.com

 これ、最初は若い頃の万能感を詠った歌かぁ、と気軽な気持ちでクリックしたのですが、作者を見て非常に驚きました。榎本ナリコかよ。『センチメントの季節』かよ。この人のことはもともと野火ノビタ名義のBL同人で知っていたのですが、その流れで一時期『センチメントの季節』読んでました。今思えば青年誌だったしわりと性的な内容だったような(でもエロかった記憶はない)…。時期を過ぎてから海に入ってクラゲに刺された回のことしか覚えておらず、この短歌の回を覚えていないのが残念でなりません。もしかしてそこまで読んでないのかも。

 

 「一首鑑賞」ではこの歌の来歴について作者の言葉が詳しく引用されていますが、作品内でどう提示されていたのか、他にはどんな歌が詠まれていたのかは具体的には触れられていません。すごく気になるなー。読み返したいような気もするのですが、この漫画って内容的に援助交際とかそういうたぐいの世紀末感あふれる雰囲気だったような記憶があり、時代も変わってて自分も大人になっていて、今読んだらつまらないんじゃないか…という怖さもあって躊躇っています。。記憶の中に置いておきたいというか…。

 

 この歌に関して言えば、作者や来歴を知る前になんで引っかかったのかというと、これは十六歳が作った歌ではないだろうと思ったからです。「高校生の時に作ったような気もするし本当はそうでないかもしれない」というようなことが書いてありますが、まさに十六歳の時にこんなこと言えるかなぁって私は疑問に思います。与謝野晶子くらいじゃない(笑)?今十六歳の子が詠んだというよりも、後になってから「あの頃の万能感、若かったなぁ」みたいな感じがします。

 

 それにしても吉田隼人のチョイス面白いです。まさか榎本ナリコが出てくるとは思いませんでした。

 そういえば最近えすとえむの『いいね!光源氏くん!』という漫画を読んでいて、作中に登場する光源氏くんが和歌をつどつど詠むのですが、この和歌、一体誰が作っているんだろう?とすごく気になりました。ちなみにTV版ではクレジットに「劇中和歌 丹生谷真美」とあるそうで、ググってみたら教養講座の講師の方でした。TV版と漫画版(原作)の和歌の内容が同じかどうかは未確認です…。

 

 

辿り着かない、一度だけ辿り着く、どちらが、チャーリー、まごころを、きみに (yuifall)