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現代歌人ファイル その114-狩野聡子 感想

山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

狩野聡子 

bokutachi.hatenadiary.jp

本筋に関係のない脇役の破談の場面に思考停止す

 

 この歌読んだ時、Carpentersの ”Yesterday Once More” を思いだしました。

 

When they get to the part where he’s breaking her heart, it can really make me cry

 

ってとこ。

 歌詞間違ってないか確かめるため一応 ”Yesterday Once More” でググって確認したら、『Yesterday Once Moreの解釈について』という学術論文がひっかかってびっくりした(ポピュラー音楽研究 vol.4 2000; 20-30. 土屋唯之)。ビートルズとかカーペンターズってこういう論文色々出てるんだろうなー。真面目な論文なんでしょうけど、サンキュータツオの『ヘンな論文』って本思い出してちょっと笑ってしまいました。すみません。でもこういう研究大好きです。イグノーベル賞とかすごい好き。

 ちなみに引用部分は「彼が彼女を振るあの場面に差し掛かると、私も本当に泣きたくなるわ」みたいな感じです。

 

 ところでこの人の歌、失恋の歌が色々紹介されていて、解説に

 

それも美しい失恋ではない。無視されたり拒否されたりというかなりみじめな失恋だ。ある意味男子中学生のような振られ方である。

 

と書かれてます。男子中学生のような振られ方!解説を書いている山田航は男性だからそう感じるのかもしれないけど、若い時って女子よりも男子の方がより残酷だと思います!だって女子→男子はさー、「かっこいい」の他にも「面白い」、「足が速い」、「頭がいい」、「優しい」などモテ要素が色々ありますが、男子→女子はほぼ「かわいい」一択ですからね!人間的に未熟な頃って男子の方が単純に外見でジャッジしてくるんですよ!しかも若い頃の「かわいさ」って、化粧とか仕草とか雰囲気で盛れない分、多くが生まれつきの部分ですから。全然知らない相手からすれ違いざまに「かわいい」とか「ブス」とか言われたり点数付けられたりした経験、男はそれほどなかろう。女はわりと皆あるんです。

 ただ、

 

そして狩野は自虐や笑いに転化するのでもなく、かなり真摯に「失恋」に真向かい、またおそらくは「もてない」自分に向かい合っている。こういうスタンスを、女性の側から表現したことが実は意外に珍しいのである。

 

というのは確かにそうかもなーって思いました。女性側の、みじめに振られる、もてない、恋愛のスタートラインにも立てない、って歌あまり見ないですもんね。浮気されたとか片思いの相手に恋人がいるとか恋人に別れを告げられたとかそういうのはあるけど、

 

人づてに君の気持ちを聞きしときわれは一瞬石になりたり

 

「いやだ」という吾に向けられしその言葉わが全身を打ちのめしたり

 

なんてド直球ストレートな身も蓋もない失恋の歌ってあんまり見ませんね。解説の「ものすごい個性」って表現笑った。

 

歴代の朝のドラマのヒロイン等次々帰り来(く)母役となり

 

 二十代を「おとめのままに」過ごして「出産せず」、弟は結婚して、って頃の歌のようですが、そういえば最近(この記事書いた頃)『InRed』等大人女性向け雑誌の表紙に上戸彩が起用されているのを見てびっくりした。普段雑誌ってめったに読まないのでそういう時代の流れみたいなの全然気づかなくて、書店の雑誌コーナーでふと見たらええっ、そうなん?ってなって。ググったら他にも『ミセス』『日経ヘルス』『婦人公論』などミセス向け雑誌の表紙になってましたね。確かに…子持ち30代ですが…。母親役になっててびっくりした人って他にいるかなぁー。芸能界に疎すぎてピンと来ないな。

 よしながふみの『きのう何食べた?』って漫画で、主人公が恋人とティーン向けの青春映画見に行って、「シロさん(主人公)の好きな女優さん、学園長役で出てくるよ」って恋人に言われて「……」ってなるシーン思いだしました。シロさん、もう50すぎですからね…。好きな女優さんはaround 60と思われる。でも、よく考えたら50過ぎになって20代のアイドルとかに熱上げるよりもよいのでは??

 

 

何気なく「好きなタイプ」を聞くけどさ選ぶ側なのかよって話 (yuifall)