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現代歌人ファイル その77-花山周子 感想

山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

花山周子 

bokutachi.hatenadiary.jp

深夜二時雲ばかりが走りゆく公団団地をわれは制覇す

 

 「字足らずの破調が多い」と解説にあります。この歌も字足らずですね。

 字足らずって、何度か書いてるけど、難しくて使えないテクニックの一つです。この歌に字足らずってふさわしいだろうか、他に言葉があるんじゃないか、って考えてどうもうまい使い方が分からない。

 この人の場合は、「歪み」「微妙なバランスでぐらぐらしている感じ」が表現されている、と解説にあり、破調をうまく使いこなすタイプの歌人なんだろうなと思いました。

 

正座して「個性を高めるのよ。」とひとしきりうなずく人達に囲まれている

 

 けっこうシュールな歌多いんですけど(笑)、これとか、何??自己啓発セミナー?なんか高い水とか布団とか買わされそうです(笑)。歌野晶午の『葉桜の季節に君を想うということ』思いだしたわ(笑)。この本、傑作だと思います。

 

ぎっしりと団地にみどり童話にもこんなみどりはなかっただろう

 

 これもシュールだよなー。「団地のみどり」だから、多分誰かが植えたみどりで、「童話にもこんなみどりはなかっただろう」って、自然のみどりよりみどりみたいな…。藍は青より出でて青より青し?

 内容がシュールで現代っぽいのに「なり」とか「けり」とか文語調なのも面白いです(笑)。なんだろう、和歌そのもののパロディみたいな感覚なのかなぁ。

 

 もともと私は破調の歌ってそれほど好きではなくて、それだったら一行詩でよくない?とか思ってるタイプなのですが、

 

アリバイ「確かに、黒と白がいました。」四角の窓に

 

この頃思い出ずるは高校の職業適性検査の結果「運搬業」

 

みたいな歌には破調がふさわしいような気もするし、うーん、でもよく分かりません。 

 ただ、

 

「屋上の人屋上の鳥」という歌集の大きな特徴は収録歌数の多さである。860首というかなり異例の多さだ。これだけの数の歌をいっきに読むとなんとも酩酊するような不思議な感覚に陥ってくる。この不思議な感覚というのが花山の短歌の命である。どこか違和感や引っかかりのある歌を大量に読むことで積み重なっていく歪みが、大きな魅力となっている。

 

とあるので、まとめてたくさん読んでワールドに浸るのがよい読み方なのかも。『桜前線開架宣言』でたくさん歌載ってて面白かったです。

 対談とかコラムとか読んでるとそれほど突飛な人という感じもしないので、不思議だなぁって思います。まあ、突飛な人が突飛な歌詠んでいるということの方が実は珍しいのかもしれませんが…。

 

 

加湿器を出しっぱなしの7月は不快指数が加速度的です (yuifall)