北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。
渡辺松男③
ああ母はとつぜん消えてゆきたれど一生なんて青虫にもある
母の歌です。母が死んだけど、「一生なんて青虫にもある」と。しかし思うに青虫は子供だから、母と比較するなら蝶もしくは蛾なのではなかろうか?青虫のままの一生というと「幼くして死んだ」というイメージであってなんとなく「母」とは重ならないですね…。もちろんそれを踏まえた上での表現だろうし、どういう意味なのでしょう。母はまだ蝶になる前だった、ってことなんだろうか。
一度だけ死ぬために一度だけ生まれ宇宙よりくるこおろぎの声
これも虫の命シリーズです。青虫もこおろぎも母も一度だけ死ぬために宇宙から来るんですね。You only live onceですね。
しんしんと月光ウィルス降りそそげわが涯を征くロボットの列
この歌好きー。月光ウィルスか。有栖川有栖の『月光ゲーム』思い出したな。この「ロボット」ってどういうロボットなのかなぁ。Pepper君っぽいやつかなぁ(笑)。
粘稠の赤に眩しき影は揺れわが胸郭に封じ込む月 (yuifall)
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