北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。
渡辺松男②
俺はいわゆる木ではないぞと言い張れる一本があり森がざわめく
「木」シリーズですが、またしてもつかみどころがない…。森は木でできているんだけど「俺はいわゆる木ではないぞ」と一本が言い張ってるのか…。この木は森であることに誇りを持っているんだろうか、それとも森を構成するただの一員ではない、ってことなのかなぁ?
推理小説で、被害者(子供)のノートに「木は何本あったら森になるの」って書き残してあったやつ思い出したわ…。
立ったまま枯れているなんてわりあいにぼんやりとしているんだな木は
これとか、木に対して「わりあいにぼんやりとしているんだな」なんて感じたことない!解説にも、
「ぼんやりしているんだな」という感じ方(むろん表現上の)は、ちょっと類がない。
とあり、玄人をも唸らせる表現なんだなと思いました。確かに木って立ってるのに枯れてたりしますよね…。寺山修司の
一本の樫の木やさしそのなかに血は立ったまま眠れるものを
という短歌や、
一本の木にも流れている血がある。そこでは血は立ったまま眠っている。
という詩を思い出しました。
木となりて一生泣いておりたしと泣きながら締めなおすネクタイ
木になっても泣いてるんかい(笑)。そして木じゃなくて人だから仕方なくネクタイ締め直すんですね。この人サラリーマンなのかなあ。奥深いな…。
日陰では生きられぬといふなめらかな肌の白さよ血は甘かりき (yuifall)
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