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ぼくの短歌ノート-「貼紙や看板の歌」 感想

講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 貼紙や看板の歌

 

「軽井沢に跳梁跋扈する悪質な猿の特定が急がれます」とぞ (花山多佳子)

 

って面白かった。だって、ほぼ全部貼紙かなんかの文章ですよ?そんで「軽井沢に跳梁跋扈する悪質な猿」って(笑)。妖怪かよ。西遊記かよ。この文章作った人って役所の人なのかなぁとか考えちゃいますね。なんか、面白さのおすそ分けを貰った気分です。

 同じ人の歌で、

 

眉間に蜂迫りきて背ける目は見たり「蜂に注意」といふ看板を (花山多佳子)

 

も面白い!うわっ!蜂!看板に気付くの遅っ!ってか看板意味ある!?みたいな(笑)。病気になってから健康を意識する的な?

 

 最後解説につっこみたいのですが、

 

肉饅に虫が混入(アザミウマ)などと書かれた詫び文貼らる (前田康子)

 

に対して

 

「アザミウマ」とは「混入」した「虫」の種類らしい。だが、こう書かれると、人間の意識は反射的に「アザミ」や「ウマ」を感じてしまう。

 

とあるのですが、感じません!!カマドウマ的な虫を一瞬で連想したわ!「肉まん」じゃなくて「肉饅」って書き方もなんか、肉々しいし、肉+虫で一気にグロワールドに突入しました。

 いやー、ほんと、同じ歌を読んでても人によって感じ方って違うんだなぁ。解説付きの本ってこういうとこが好きです。

 

 

日曜を路上にまき散らすんじゃねえ「たばこは心の日曜日」なら (yuifall)