左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
瀬戸夏子
難解!アヴァンギャルド!多分この人の歌は、アンソロジーで読んでもダメで、歌集を見ないと伝わんないんだろうなーと思いました。でも、まあ、俺たちはLiveで生きるぜ!っていうハードロック系歌手の歌を無気力系シンガーがだらだらしたボサノバアレンジにしたカバーがラジオから流れてそれを気に入っちゃったりするように、作品って全然違う文脈で読まれたりとかされちゃうこともあるから仕方ないよね。そういう目線で感想を書きます(笑)。
私はわりと普通の感性の普通の人間なので、どうしても自分の理解できる意味を読み取ろうとしてしまう脳の働きがあり、
あんた、怒ってるとき、見えてるよ、神経がクリスマスツリーみたいで
がぱっと見いいな!って思ったのですが、全く理解できない上に若干猟奇的な
観覧車の肉を切り分けゆうやけにきみは吊られた眉毛のかたほう
心底はやく死んでほしい いいなあ 胸がすごく綿菓子みたいで
なんかも、(ほんと、全然説明できませんが)、なんとなく好きです。確かになんとなく観覧車ってハムっぽいなーって思ったのですが、なぜそんな風に思ったのか自分でも謎です(笑)。
とはいえ、私には前衛芸術というものがよく分からない。説明もできないし、多分理解もできない。そしてこういう作品は、「つくること」そのものよりも、「つくりつづけること」に意義があるのかなと思ってます。そういうスピリット、思想的背景に裏打ちされているかどうか、っていうスタンスの問題なのかなって。私は多分、「前衛的作品」を、例えば一首作ろうと思ったらできるかもしれないけど、作り続けることはできない。なぜならそういう前衛的スピリットがないからです。だからはっきり言って、作ったとしてもそれは猿真似に過ぎないとも思う。そして、こういう作品を作るということについて、作品そのものよりもむしろ作者に興味があります。ただ、そういう読まれ方は求められてないんだろうなという気もします。
「短歌タイムカプセル」の荻原裕幸の感想の時も書いたのですが、
短歌タイムカプセル-荻原裕幸 感想 - いろいろ感想を書いてみるブログ
前衛短歌は私にとってイケてる感性を持ってる人しか入れないクラブ的存在なので(笑)、入れないし入っても楽しめないだろうなーと…。
泣きながら赤信号を渡ってくぼくにボールウェイン積分投げつけたいアドバルーンから (yuifall)