北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。
荻原裕幸⑤
十二色のいろえんぴつしかないぼくに五十五色のゆふぐれが来る
この八月の街をみづいろ前線がとほる痛みのかけらがぼくだ
コンビニで傘を買ふこのやすつぽい傘でふせげるものを愛して
言葉の使い方が大好きな三首です。こういうのを見ると、この人は色彩感覚が豊かだなぁと思います。だから、人には見えないものが見えちゃうのかな。こういう歌を読んでいて、もしかしたら他の人には見えないスペクトラムが見えているから、アヴァンギャルドな歌ができるのかなって思ったりしたんですよね。この人にとってはまぎれもなくリアルだし、だからこそ人を立ち止まらせる強い言葉になるのかなって。
うーん、やっぱり当時の「最前線」だっただけあって、この本読んでいると色々考えさせられますね。。『桜前線開架宣言』みたいに詳しい解説あると私のような素人にはもっと助かったのかもなー…。この本は解説は最低限にして歌をとにかくたくさん載せるってスタンスなので。それもいいんですけど、どうもさー、やっぱり自分にとって理解しやすいやつとか目が拾ったやつばっかり読んじゃうから…。でもあんま解説しすぎると解釈の幅が狭まっていかんのかな。。
yoctoまで切り刻んでもデジタルのままにドットの夜を息する (yuifall)
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