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桜前線開架宣言-加藤千恵 感想2

左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 加藤千恵

 

 とはいっても私自身は少女漫画はリアルタイムでほとんど読んだことがなく、痛いサブカルオタクだったのでこの世界はある意味理想の女子の世界ですね。『俺物語‼』(河原和音、アルコ)の凛子ちゃんの世界です。現実ではなくて、理想の女の子の世界なの。

 

わたしたちは甘やかされて育てられてろくな傷つきかたも知らない

 

あたしってどうやって生きてたんだっけ? あの日あなたと知り合うまでは

 

なんかね、全然リアリティのない言葉なんだよね。でも、解説にあるように、それはわざとなんだと思いました。わざと「あー、あるある」って感じの言葉使ってるのかなって。

 いわゆる「君に出会うまでは孤独だった」とか(その後だって孤独やろが)、「会いたくて会いたくて震える」とか(震えねーだろ)、とか、そういう、恋愛的な文脈の定型文。イケてない女の子が学校一のイケメンに壁ドンされる系のストーリーなんですよ。で、ここにあるのは、あいみょんとか西野カナとか大塚愛とかが好きで何が悪い?ってスピリットというか、エレカシとかユニコーンとかVaundyとかが好きじゃないと「ホンモノ」じゃないっていう精神に対するアンチテーゼ、そういう潔さなのかなって感じました。

 

 

秒針と同じ速度で観覧車上がり切ったら降りるだけだね (yuifall)

だれにでもやさしいあなた、ことばだけもらうよ、きれいな嘘でいいから (yuifall)

 

 

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