左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
野口あや子②
なんかねー、「どこにも行けない」閉塞感がすごいんですよ。もう、このままの人間関係に縛られて地元で生きてくしかない感じの息苦しさなの。田舎のヤンキー層ってそういうことなのかも。
加藤千恵が『君に届け』(椎名軽穂)だとしたら、野口あや子は『NANA』(矢沢あい)だね。アーティストで言うと椎名林檎、Cocco、鬼束ちひろとかの病んでる系ね。
熱帯びたあかるい箱に閉ざされてどこへも行けないポカリの「みほん」
とかね。で、「左手首に包帯」みたいにリストカットが示唆されたり、「太ってる、まだ太ってる」って摂食障害が示唆されたりして。
でもそんな中に、
わたしたち戦う意味は知らないし花火を綺麗と思ってしまう
っていうのもあって、なんか胸がぎゅっとした。意味も分からずもがいてて、花火が綺麗なんて月並みだけどそう思っちゃうんだ、って言葉の率直さが切なくなった。この子が幸せになるといいなって思う感じの歌でした。
私的には桜井亜美の感じかな…。エンコー、リスカ、違法ドラッグ、暴力、拒食、セックス、そんで最後にちょっとLOVEで救われるみたいなさ…。でも小説だからそこで終わり、なんとなく希望が見えた感じで The End.でいいけど、実際はそんな環境の10代だったらやっぱり「どこにも行けない」って感じするよなー。。
食卓は彩りに満ち きらきらのサプリメントを抓んで齧る (yuifall)
砂粒もシュークリームも吐き出して便器に浮かぶ油の輪っか (yuifall)
桜前線開架宣言-野口あや子 感想 - いろいろ感想を書いてみるブログ