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桜前線開架宣言-松木秀 感想

左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 松木

 

 この人の歌、郊外の閉塞感がすごいです。イオンモールとコンビニくらいしか娯楽がなくて、動画ストリーミングが主流になる前はGEOかTSUTAYAに行くしかなかったあの頃の「地方」の雰囲気が…。

 あくまで「田舎」ではなくて「地方」なのね。「田舎」に象徴されるノスタルジックな感じではなくて、どこへ行ってもどっか似ている「郊外」「地方」の感じよ。あの、バイバス走ってる時にあー、いかにもバイバス沿いね、みたいな店が立ち並んでるというか…(リサイクルショップ、ブックオフ、ファミレス、なぜか居酒屋、カラオケ、スーパー、ドラッグストア、スーツ量販店、焼き肉屋、ラーメン屋、パチンコ屋、レンタルショップ、なぜか眼鏡屋、って感じの)。

 

コンビニは安心できる絶対に「ほんもの」だけは置いてないから

 

 とか、なんか分かる。「ほんもの」を探しに行くの大変だもん。だからついコンビニとかファミレスとかチェーン店に行っちゃうんだ。『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』(村瀬秀信)って本あったな。

 だけどたまに「店内で調理しています!」的なおにぎりが置いてあったりとか、地方のコンビニで店員さんと客が知り合いで普通に世間話してたりするのとか見ると、コンビニ好き♡って思う。ていうかやっぱ店が小さいせいか、むしろスーパーとかよりも地元の店感あるんですよね…。最近は外国人の店員さんが子供に超優しかったりするのを見て胸きゅんしてるわ。

 ていうかみんななんだかんだ言ってもコンビニ好きじゃないですか(笑)?そういえば昔ブリーフ&トランクスというフォークデュオが『コンビニ』って曲歌ってたな…。ググってみたら2000年の曲でした。なんと21年前ですか…。

 

カップ焼きそばにてお湯を切るときにへこむ流しのかなしきしらべ

 

 これも、本物の「やきそば」じゃなくて「カップ焼きそば」なんだよね。「焼きそば」だとノスタルジックになっちゃうでしょ。お母さんが作った味とかお祭りの味を思い出して。でも「カップ焼きそば」は画一的だから。そういえば『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら。』(神田桂一、 菊池良)って本あったな。これ面白かったです。

 

 あとめっちゃ好きなのは

 

輪廻など信じたくなし限りなく生まれ変わってたかが俺かよ

 

ってやつ。分かる!何度も生きてるならもっとマシな人生あるんじゃ?ってなるよね。人生二周目的なさ…。

 

 

おはようからおやすみまでを見つめられイオンモールに暮らすぼくらは (yuifall)

支配者の血中濃度こめかみでブルーライトがスパークしてる (yuifall)

 

 

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