書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
望月裕二郎
いちどわたしにあつまってくれ最近のわかものもふりそびれた雨も
うおー、訳が分からない。このわけのわからなさがたまりません。訳が分からないのに全体的にめっちゃ面白い。「われ思うゆえにわれあり」とか「外堀を埋める」とか「穴があったら入りたい」とか「犬も歩けば棒に当たる」とか「寝言は寝て言え」とか全てがパロディ化されていてすごってなります。
歯に衣をきせて(わたしも服ぐらいきたいものだが)外をあるかす
とかさ(笑)。歯が外歩くんかい。歯に衣着せるのはいいとして。そして自分は裸なんかい(笑)。とにかく見てもらわないとこの面白さは伝わらないと思います。というか、私の能力では伝えきれない…。
この人の歌読んでて、一体どんな人なんだろう…って興味を惹かれていたのですが、幻戯書房 編 『トリビュート×百人一首』という本で短歌だけじゃなくて解説文みたいなのを書いていて、妄想ワールドが無限に広がってて面白かったです(笑)。
陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに
(古今和歌集 巻十四・恋四・七二四 詞書「題しらず」)
の本歌取りが
にっぽんのそこがびしょびしょ雑巾をしぼりわすれたわたしのせいか
になってて驚愕したわ(笑)。その発想はない!というかこの本、百人一首を現代歌人が本歌取りしてるのですけど、全体的にめっちゃ面白いです。歌人ってすごいなー。
だがしかし、
筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞ積もりて淵となりぬる
(後撰和歌集 巻一一・恋三・七七六 詞書「釣殿の御子につかはしける」)
に対して
上皇の御詠に対して恐縮だが、つまらない。
と一刀両断してて笑ったが、私はこの歌好きです!宮木あや子の『泥(こひ)となりぬる』が好きだから(笑)!BL好きな人は読んでみてね♡宮木あや子だと『ガラシャ』もなんつーか明智光秀総受BLみたいで萌えます(笑)。
ところで百人一首といえば「忍ぶれど」vs「恋すてふ」が有名ですが、「ちはやふる」(末次由紀)のしのぶちゃんには悪いけど私は「恋すてふ」派だなー。かっこいいもん。係り結びとか使ってみたい!
根も葉も茎もある(電源はない)やかましいから口とじていろ (yuifall)