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短歌タイムカプセル-飯田有子 感想

書肆侃侃房 出版 東直子佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 飯田有子

 

女子だけが集められた日パラシュート部隊のように膝を抱えて

 

なにをしてもいまははじめて雪のはらいたいのいたいの飛んでおいでよ

 

 この人の作風なのか、それともこのアンソロジーに載せた作品の傾向なのかは分からないのですが、少女時代の痛み的なテーマが多い気がします。

 女の子でいるってことはこの歌にもある通り、初経を経験することや、いずれ妊娠する身体だと知らされること、プール泳げない日とかナプキンの取り扱いに気を使ったり、急に下着が血で汚れていたり、そういう身体の生々しさに向き合わなきゃいけないってことで、それに加えてさらにややこしくてクソみたいな女子同士の人間関係をクリアしていかなくちゃならないし、そういうことをまざまざと思い起させるから少女時代の歌って痛々しい感じがするのかもなー。

 なんか、MadonnaWhat It Feels Like For A Girl を思い出しながら読みました。何となく思うんですけど、女の子がBL読むのって、BLのキャラはそういう女子の葛藤や、自分が知りもしない現実の男子の葛藤から自由だからじゃないかって気がします。重たい女の身体を捨てて男に愛される自由っていうかさ。

 

 

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