書肆侃侃房 出版 東直子・佐藤弓生・千葉聡編著 「短歌タイムカプセル」 感想の注意書きです。
安藤美保
君の眼に見られいるとき私はこまかき水の粒子に還る
恋人ではなくて片思いの相手なのかな、という気がします。初々しいというよりも瑞々しいという印象を受けます。好きな人に見つめられる時の感じ、この歌の「水の粒子」は純水かなって気がするのですが、恋の感じってサイダーとかソーダのイメージかなぁ。うーん、でももっと無糖かな。炭酸水かな。流線形の「恋のサイダー」思い出した。
この人の歌は、自分が「細かい実をつけた枝」「寒天質に閉じ込められた」「白抜きの文字」「一匹のとんぼ」など色々なものになっていて、心の自由さ、自分の身体を超えてイメージが超越していく感じを受けました。いいなぁ。自分は何になれるだろう、とか考えて自分に集中していると、逆に背中の痛みとか髪の毛の重さとかを感じてしまい悲しかった(笑)。
手をつなぎ桜をくぐる少女らの頬に影さし影はうつろう
も情景がイメージできて好きです。中谷美紀の「冷たい脚」の世界を想像してしまった。”白い夏服着た笑顔たちの透明な悲しみが並ぶ写真”
ポッピングシャワーになって弾けたいあなたの舌の味蕾のうえで (yuifall)
もう熱いから触れてみて、まなざしは苛性ソーダでできてるんだね (yuifall)