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02x03 - Masquerade 感想

 POI感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 タイトルは「仮装」。自分を見つけられないソフィア、正体を隠しているソフィアの彼氏、ルートについて調べていることをフィンチに隠しているリース、リースにPTSDを悟られまいとしているフィンチ、それから、脅されてカーラのために働かされているスノウの話です。

 

 それにしても、POI被害者率高いような…。その上この話、ソフィアが巻き込まれた事件絡みで他に2人も死んでるし、番号も出てなかったからどうなん??最初の1人は突発的な出来事に近い殺人だったのかな?殺された親友がかわいそうですよ。

 

 冒頭、ルートについて調べているリース。ルートの情報を得るのは難しそうですね…。フィンチがやってきて、隠そうとするんだけど隠しきれず、何を気にしていたかバレてしまいます。

 

Harold.

ハロルド

Something you'd like to say to me, Mr. Reese?

何か私に言いたいことがあるのかね、リース君

Just if you ever want--

もしあんたが――

No, I don't need to talk about it.

いや。私はそれについては話したくない

I was gonna say if you ever wanna grab a beer, let me know.

俺はただ、もしあんたがビールを飲みたい気持ちになったら教えてほしいと言いたかっただけだ

I see it's sleeping here now.

この犬はここで寝ているのか

Bear's friendly. You'll like him.

ベアーはいい子だよ。あんたも彼を好きになる

Doesn't look like much of a conversationalist.

あまり話し上手ではなさそうだがね

Oh, he's not, but if anyone ever messes with you, he'll eat 'em.

それはそうだが、誰かがあんたに悪さをしようとしたら、彼はそいつに噛みつくだろう

 

 過保護リース君炸裂です。ほんと、S2以降ずっと過保護だからね。ルートについて「話したくない」と言われてしまい、「ビールがどうこう」と曖昧に誤魔化します。こういう話下手なとこもかわいいな。そして最初はベアーに冷たいのに、だんだん好きになっていっちゃうフィンチもかわいい。

 

 物語上で重要だったエピソードが終わった後の回、ライト目で好きです。この回はちょっとパロディっぽいというか、王道パターンを踏襲した感じのエピソードです。頭もよくて美人なんだけど自分の居場所を見つけられないお嬢様と、そのボディガードという。お嬢様はボディガードをつけられることに反発していて、悪い遊びをしたり悪い彼氏がいたりするんだけど、守られ続けている間にボディガードが好きになって…、みたいなベタな展開です。

 でもまあオーソドックスにはオーソドックスな理由がある、というのも分かりますよね。王道パターンとして楽しめました。最後ボディガードと恋に落ちるわけではないんですけどね(笑)。さすがに、リースが20代女性と恋愛してたらちょっと引くよ…。

 

 ソフィアはブラジル外交官の娘で6か国語を使いこなし、オックスフォード大学の入学を控えている才媛ですが、自分を見失ってクラブで遊びまわっています。手に負えない娘に父はボディガードをつけるのですが、ソフィアと気が合わずすでに6人解雇されている。ボディガード候補として潜り込もうとするリースですが、相手は外交官の娘です。事前調査が厳しく、フィンチは警備会社と興信所を買い取って経歴をでっちあげます(笑)。このやりたい放題感がたまらんですね。

 とりあえずボディガードになることに成功したリース君ですが、わがままお嬢様の相手に手を焼きます。

 

What's Sofia doing?

ソフィアは何をしている?

Her seventh vodka shot.

7杯目のウォッカをショットで飲んでるよ

Do you plan to intervene?

介入しないのか?

I'm here to protect, not discipline.

俺は護衛のためにいるんだ、管理するためじゃない

Besides, it's not like she's dancing on the--

それに、彼女がダンスをしさえしなければ――

What's your problem?

どうした?

Finch, if this keeps up, the biggest threat to Sofia is gonna be me.

フィンチ、これがもし続いたら、ソフィアの最大の脅威は俺になるぞ

 

 このやり取り笑えた。リース君、腹に据えかねてます。ここでかかってる曲はDavid Guetta ft. Sia の Titanium でした。

yuifall.hatenablog.com

 

 ソフィアの父がブラジル大統領選挙に立候補することになり、その関係で狙われると思って警戒していた2人ですが、実は全然違う理由で事件に巻き込まれており、クラブで銃撃に遭います。ソフィアを保護し、好物のブラジル料理を作ってあげるリース。リース君、ブラジル料理できんの??この人ハイスペすぎじゃない??ソフィアの好物に関する情報はフィンチから得たのかな。「内部情報」と言ってました。そういう調査もしてくれんのね。

 背後関係を色々調べている間に、ソフィアの親友が殺されてしまいます。ショックを受けるソフィア。

 

Listen, Finch, I need you to come keep an eye on Sofia.

聞け、フィンチ、ソフィアを見ていてもらうためにここに来てほしい

She's not safe with me if I'm out looking for Gabi's killer.

もし俺がガビを殺した奴を探しに行っていたら、彼女が俺と一緒にいるのは危険だ

Not a problem. I'll be there shortly.

問題ない。そこにすぐ向かう

 

 でもフィンチは外に出たとたん、ルートから誘拐されていたトラウマが蘇って路上で身動きが取れなくなります。思えばフィンチはずっと本調子ではない感じでした。仕事もはかどらないし、ベアーの様子が気がかり。出かけようとするのですがふとしたきっかけでルートの写真が目に入ってしまい、外に出ることができません。やっと出たとたんこのありさまで、自分でもショックを受けています。

 このあたりのリース、めっちゃ優しいです。

 

Mr. Reese, I seem to be having a bit of a complication.

リース君、私は少し複雑な状況にあるようだ

I'm afraid I won't be able to meet you.

私は君に会いにいけそうにない

No problem, Harold.

問題ない、ハロルド

I'll call Fusco. I'm sure he's got nothing better to do.

ファスコを呼ぼう。彼はどうせこれ以上いいことなんかしていないだろう

 

 ここでハロルド呼びかよ。イケメンすぎるだろ。優しくて胸がきゅんとしたわ。フィンチがどういう心理状態にあるか分かっていて、しかも大げさじゃない言葉で受け止めてくれます。

 この後のソフィアとの会話もめちゃくちゃ好き。

 

It's not your fault.

それは君が悪いんじゃない

You were at the wrong place at the wrong time.

ただまずい時にまずい場所にいただけだ

They're all the wrong places.

全てが間違った場所なのよ

I've been lost for so long.

私はずっと長いこと自分を見失ってた

I thought maybe if I kept looking, I might find somewhere that made me feel happy.

探し続けていれば、幸せを感じられる居場所を見つけられるって思っていたの

I never thought anyone would get hurt.

誰かを傷つけることになるなんて考えもしなかった

I've spent some time feeling lost.

俺も自分を見失っていたことがある

What changed?

どうして変われたの?

Someone found me, told me I needed a purpose.

ある人が俺を見つけてくれた。俺には目的が必要だと教えてくれた

Sounds like a good friend.

いい友達なのね

He is.

彼はそうだ

 

 この会話めちゃくちゃときめいたよ…。まずはソフィアがね、かわいそうで。ブラジル高官の娘として生まれてスイスで教育を受けて、多分恵まれた環境だったんでしょうが自分のアイデンティティの置き場を見失っていて。自分の意思がどこにあるのかも分からないうちに父親の政治生活に巻き込まれてしまったんだろう。若いからクラブで遊んだりちょっと悪そうな彼氏と付き合ったりするんだけど、その程度しか羽目を外したりもしていないのに事件に巻き込まれて親友が殺されて。なんでも持っているように見える人なのに、やりきれないなって切なくなった。

 それに対して「君は何も悪くない、俺も自分を見失っていた」と諭すリース。そして、「ある人に出会って、目的をもらった」と言います。最初はSomeoneという言い方をしているんだけど、最後He is.と「彼」という代名詞が示されてめちゃときめいた。フィンチが苦しんでいるタイミングでこの言葉をかけてあげるのはリースの優しさだよね。

 ですが、それを聞いて複雑な顔をするフィンチ。嬉しいような、リースに信頼されることが苦しいようなそんな感じです。それにしてもこの時点でフィンチとリースの関係性って本当のところは全然分かっていなかったはずなのに、マイケル・エマーソンさんの演技はすごいなって思いました。この時額に汗が浮いてて、細かいなって…。

 

 この後のソフィアとファスコの対面シーン面白いです。 リースが、こいつが面倒を見てくれる、と言ってファスコを紹介するのですが、ソフィアが彼を見て笑います。

 

I get it.

分かったよ

I'm not as tall as him, maybe not as fast.

俺は奴よりも背は低いし、多分早くもないな

Go ahead, make fun of me. I can take it.

いいよ、俺を笑えよ。いいから

You look like my uncle Jacobo.

あなたは私のおじさんのJacoboに似ているの

We call him the garanhao.

私たちは彼をgaranhaoって呼んでるわ

What's that supposed to mean?

それはどういう意味だ?

Stud. He has great luck with the ladies.

種馬。彼は女性とよく縁があるの

 

 ファスコ一気にご機嫌(笑)。でも実際、ファスコってモテると思うなー。他の回でも女性とデートしてたり、モデルにキスされてたりするシーンあったよね。ある種の女性に「私が面倒みてあげないと♡」みたいな気を抱かせる男って感じする。

 

 この間にカーターがアリシア事件について調べて遺体安置所でスノウに出会ったり、どうもアリシアにはマイクロチップが埋め込まれており誰かがそれを取り去ったらしいということが分かったり、スノウがカーラに脅されてアリシアを調べていたこと、カーラはアリシアに何かをさせようとしていたみたいですがアリシアがすでに死んでいたからスノウにそれをやらせることにしたことなどが分かります。

 

 カーター、ファスコがそれぞれフィンチと話すシーン好きです。

 

I understand that you went out of your way to help John track me down, and I thank you.

私を追跡するのにジョンを助けてくれたそうだね、ありがとう

No problem.

いいのよ

John's not his usual cheery self without you around.

ジョンはあなたがそばにいないといつもの元気がないみたい

 

 いや、リース、いつも元気じゃないけどね(笑)。で、ファスコの方はフィンチの番号をMr. Good News で登録しているらしく、

 

You know, you don't write. You don't call.

なあ、今までメールも電話もなかったな

I mean, I'm a big guy, but I am sensitive.

つまり、俺は大人だが、繊細なんだぞ

It's good to talk to you too, Detective.

私も君と話せて嬉しいよ、刑事さん

 

 ファスコの扱いひどいよフィンチ…。この4人の関係めっちゃ好き。

 

 それにしてもリースがボディガードだったら惚れるよなー。顔はかっこよくてスタイル抜群で声はセクシーだし、護衛は完璧でピンチには駆けつけてくれるし、自分の失敗はかばってくれて、ふるさとの好きな料理を手作りしてくれるし、落ち込んでいる時は優しい言葉をかけてくれて、親友を殺して自分を嵌めた男を捕まえて脅したあげくに警察に突き出してくれて。この時のジャックに見せるリースの笑顔、超怖くて好き…。ジム・カヴィーゼルさん、笑顔の使い分けすごいよなっていつも思う。ラストのフィンチに向ける笑顔と全然違うもん…。

 

 2時間映画だったらソフィアとリースが恋に落ちてリースは専属ボディガードとしてブラジルに着いて行って終わりですが、そこはPOIなんでフィンチのところに戻ってもらいます(笑)。

 

Have you thought about what you'll do next?

次に何をするかはもう決めたのか?

I will be returning to Brazil with my father for the election.

ブラジルに戻って父の選挙を手伝うわ

Guess I can't talk you into relocating?

ついてきてって言ってもダメよね

New York's my home... for now.

NYが俺の居場所だ…今は

You've taken very good care of me.

最高のボディガードだったわ

 

 図書館に戻ると、フィンチはルートの件と向き合っていました。最後はリースにPTSDを認め、2人できちんと調査することにしたんですね。でもリースは「それはとりあえず今はいいだろう」と言って、

 

It's time we went for that beer.

ビールを飲みに行くときが来たな

 

と、フィンチを外に連れ出します。最初の伏線回収したな!フィンチは一人だと外には出られなかったけど、リースが一緒なら外出できてよかったね。こちらもボディガードかぁ…。ベアーも外に出られて嬉しそうです。フィンチは外を歩きながら、

 

Does it have to be beer?

ビールじゃなくてはいけないか?

 

と、他のものでもいい?と提案し、リースが微笑みます。このラストシーン大好き。

yuifall.hatenablog.com

 

POI:ソフィア・カンボス(被害者)

本編:2012年5月末(アリシアが殺されて1週間後くらい)

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