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現代歌人ファイル その100-西田政史 感想

山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

西田政史 

bokutachi.hatenadiary.jp

珈琲にミルク注ぎて「毎日がモカキリマンジャロほどの差ね」

 

 おおーなんかおしゃれだけど、モカキリマンジャロってすごい違うのかそれほど違わないのか分からんな(笑)。コーヒー好きか否かでだいぶ感じ方が変わりそうな歌ですね。

 この人、ニューウェーブとして時代を牽引したG#7の人ですね。今度はC#mの歌

 

ぼくたちの始まりのときC#mが二度はづんで消えた

 

が紹介されてます。

 

 最初に上記のような口語旧仮名のポップ系の歌が紹介されているのですが、文語で詠んだ青春歌もたくさん引用されていて、がらっと雰囲気が違います。

 

われの知らぬ空いくつ経てしづまれる戸棚の中の模型飛行機

 

なんてすごい好きだなー。ちなみに書店の歌が2首紹介されているのですが、文語バージョンだと

 

夏来たるすずしき書店にぎはふを新潮文庫の一隅しづか

 

と美しい感じで、口語バージョンだと

 

丸善に立ち読みしつつ話しあふ買ふ気がしない本ベスト10

 

になりいきなりシュール系に(笑)。買う気がしない本はベスト10作るの難しいなぁー。多すぎるやろ。

 

 最後に前衛系も紹介されています。前衛短歌ってよく分からないのでそれほど心惹かれないのですが、

 

愉快探シげーむデスカラ不快度数二十未満ノ方オコトワリ

 

これとか好き(笑)。不快度数がある程度高くないとゲームとして成り立たないもんね…。

 

 最後に

 

「ストロベリー・カレンダー」を出して以降は短歌から離れてしまったようであるが、現在も復活を願ってやまない。

 

とあるのですが、瀬戸夏子の『はつなつみずうみ分光器 after 2000 現代短歌クロニクル』で最近の歌集『スウィート・ホーム』が取り上げられていました。

 このアンソロジー、ゆっくり読みたいと思って手元に置いたままになってます。すごく読みたいけど、今じゃない感じっていうか…。もう少し時が熟したら…。

 

 

永遠に正確無比の曲線でたった一つの解をあなたに (yuifall)

 

 

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