山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。
しろいろ
「ガソリンを浴びあう遊び たのしいね 「故障中」の紙もガソリンまみれ」
この人もプロフィールを明らかにしていないそうです。若い女の人なのかなぁ。読んでいて、いいなって思ったりうーん、って思ったり、評価というよりも自分の感じ方とのすり合わせが難しかったです。
しましまの正義を装填した銃を抱えて眠る 夜よ明けないで
大人って死にぞこないの子どもでしょ?錆びたブランコ軋ませわらう
とか好きです。でも
目が覚めたのは君だけださあ早く、首のバーコードをひっぺがせ!
は、中澤系の
ぼくたちが無償であるというのならタグのうしろを見てくれないか (中澤系)
と何か似ていて、ちょっと紋切り型かなって気もした。だけど、多分、私自身が「頭に侵入してくるノイズに悩まされた果ての破壊願望。不思議な残酷さと切なさに満ちている歌」(解説より)みたいな感じの歌に対する若い感性を失っているせいもあるのかなって気もします。ほんと、若い頃しか素直に受け止められない言葉ってあるよなーと。
川柳もやっているそうでいくつか作品が紹介されているのですがそれも面白かったです。
注射器のなかで血とソーダが混じっている
とか秀逸です。血とソーダ…。そもそも混じるのかな?血球成分が沈殿しないんだろうか。振ったら爆発しそうだし…。ちょっとやってみたいなと思ってしまった(笑)。他のも面白いのでぜひ記事読んでみてください。記事っつーか歌集?を読めって話なんですけどね。。
ところで
自転車で法定速度はこえられない/次のカーブを鋭く曲がる
という歌もあるのですが、『弱虫ペダル』(渡辺航)読んでると自転車でも法定速度は超えられるのではないかという気がしないでもないな。
しかしたった31文字なのにみんな全然違う世界観を違う言葉で描いていて面白いなぁ。しみじみ不思議に思いました。
ホルマリンの点滴をしてあげましょう(きみが)きれいでいたいんだから (yuifall)