左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
小原奈実②
後半のページで一番好きな歌は、
特急の窓に凭るるまどろみはやがて筋なす雨に倚りゐき
です。電車の窓に凭れてまどろんていたら外は雨になっていて、特急だからスピードが速くて、そとの雨粒が窓に筋になって、って、あー、目に浮かぶよ!!この写実感、そして写実的なだけじゃなく、自分がそこにいるような、自分がまさにそのまどろんでる人になってるみたいな感じ、分かる!って感じ。
そしてこんなに共感を呼ぶ内容であるにも関わらず、文体が綺麗でいいです。全体的にすごく美しく格式高く、まあ言うなれば正統派美女って雰囲気であり、跪かざるを得ない感じですね(笑)。
浜風にもろきともし火 まばたけば闇夜の海と空溺れあふ
とかさー。美しいわ…。美しい文章に浸りたい方はぜひ、お勧めです。
あかねさす銀杏並木の銅像の明度落とせりイデアルとして (yuifall)