いろいろ感想を書いてみるブログ

短歌と洋楽和訳メインのブログで、海外ドラマ感想もあります

桜前線開架宣言-大森静佳 感想2

左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

大森静佳②

 

 第一歌集、『てのひらを燃やす』は新人の歌集に与えられる賞を全制覇したそうです。すごいなー。もう10年前だけど、すごい熱狂したんだろうな。大型新人現る!って。

 

奪うには近くて 耳に細い雨 奪われるには遠すぎたこと

 

平泳ぎするとき胸にひらく火の、それはあなたに届かせぬ火の

 

 なんて、読んでてどきどきしませんか…??私はします。胸がへんな感じにときめくよ。こんな言葉に出会えるなんて、って、言葉に恋しちゃう感じ。好きな歌手の歌聴いてる時にときめくのと同じ感じね。あー、この声!この歌詞!死ぬ!ってなるときね(笑)。これは恋ですよ。ほんと。

 

どうかあの表情をもう一度して 昼月(ちゅうげつ)が羽根のように破れる

 

小野茂樹の

 

あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ

 

を思い出したよ。どんな表情なんだろう…。この人に、「どうかあの表情をもう一度して」って言わせるのってどんな相手なんだろう…。ああー、無限に胸がきゅんとするわ。恋のときめきを言葉だけで味わえるなんて、すごく幸せです…。この人に感謝したい…。神…。ありがとう…。

 

 なんか、こういう心を震わせる言葉とか好きな音楽とか聴いてると、脳が気持ちいいなって思います(笑)。好きな音楽聴きながら川沿い歩いてるときとか、静かに本読んでるときとか、幸福って自分の頭の中にあるんだって思う。この瞬間の幸福は私だけのもので、誰にも奪われないんだって。そんな時すごく自由だって感じがします。そういうこと思い出させてくれるような歌でした。

 

 

図書館のあなたの笑みが遠い冬 言葉は何も請け合わぬこと (yuifall)

学生証持たず横切るキャンパスにいるはずのないひとを振り向く (yuifall)

 

 

桜前線開架宣言-大森静佳 感想 - いろいろ感想を書いてみるブログ

短歌タイムカプセル-大森静佳 感想 - いろいろ感想を書いてみるブログ

「一首鑑賞」-28 - いろいろ感想を書いてみるブログ

「一首鑑賞」-123 - いろいろ感想を書いてみるブログ

「一首鑑賞」-193 - いろいろ感想を書いてみるブログ