左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
大森静佳②
第一歌集、『てのひらを燃やす』は新人の歌集に与えられる賞を全制覇したそうです。すごいなー。もう10年前だけど、すごい熱狂したんだろうな。大型新人現る!って。
奪うには近くて 耳に細い雨 奪われるには遠すぎたこと
平泳ぎするとき胸にひらく火の、それはあなたに届かせぬ火の
なんて、読んでてどきどきしませんか…??私はします。胸がへんな感じにときめくよ。こんな言葉に出会えるなんて、って、言葉に恋しちゃう感じ。好きな歌手の歌聴いてる時にときめくのと同じ感じね。あー、この声!この歌詞!死ぬ!ってなるときね(笑)。これは恋ですよ。ほんと。
どうかあの表情をもう一度して 昼月(ちゅうげつ)が羽根のように破れる
小野茂樹の
あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ
を思い出したよ。どんな表情なんだろう…。この人に、「どうかあの表情をもう一度して」って言わせるのってどんな相手なんだろう…。ああー、無限に胸がきゅんとするわ。恋のときめきを言葉だけで味わえるなんて、すごく幸せです…。この人に感謝したい…。神…。ありがとう…。
なんか、こういう心を震わせる言葉とか好きな音楽とか聴いてると、脳が気持ちいいなって思います(笑)。好きな音楽聴きながら川沿い歩いてるときとか、静かに本読んでるときとか、幸福って自分の頭の中にあるんだって思う。この瞬間の幸福は私だけのもので、誰にも奪われないんだって。そんな時すごく自由だって感じがします。そういうこと思い出させてくれるような歌でした。
図書館のあなたの笑みが遠い冬 言葉は何も請け合わぬこと (yuifall)
学生証持たず横切るキャンパスにいるはずのないひとを振り向く (yuifall)
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