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桜前線開架宣言-田村元 感想2

左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

 田村元②

 

 サラリーマン哀歌、後半も面白いです。

 

俺は詩人だバカヤローと怒鳴つて社を出でて行くことを夢想す

 

って(笑)。

 しかしですよ、おそらくですけど、みんな何かしら多面性があると思うんだよな。笹井宏之の詩歌集「えーえんとくちから」に、『夕刻遊歩』という詩があって、そこに

 

親父さんは詩になんて興味がないんだから

 

という一節があるのですが、もしかしたら興味あるかもって思いませんか?実は自分が知らないだけで、一緒に働いている人は高村光太郎の詩集を読んでいるのかも。めちゃくちゃギターがうまいのかも。昔サッカー選手を目指していたのかも。そんなことを考えました。一緒に働いている人が詩人なのかもしれないよね。

 

やがて上司に怒りが満ちてゆく様を再放送を見るやうに見つ

 

ってのもいいな。多分同じことが何度もあって、またかよ…この展開前も見たわ…みたいな(笑)。この先どうなるかも分かってるわ…早送りしたい…的な。

 

 お酒の歌もサラリーマンっぽい。居酒屋っぽい。おしゃれなロゼワインとかじゃなく、

 

ホッピーに薄く立つ泡 この国の誰もが足を引つ張り合つて

 

なんだよね。

 

 

「お忙しいところ恐縮ですが」などいちいちわざわざ書かずともよい (yuifall)

6月は総会案内届きすぎシュレッダーフル回転しすぎ (yuifall)

 

 

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