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桜前線開架宣言-今橋愛 感想

左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。

yuifall.hatenablog.com

今橋愛

 

 最初『桜前線開架宣言』を読んだ時は、この人の歌ってあんまピンと来ないというか、女子のポエムやん…って思ったのですが、その後『トリビュート×百人一首』を読んでだいぶイメージが変わりました。百人一首の解釈がすごいんですよ。で、それを本歌取りというかその歌人テイストで現代語訳するのですが、作品にも感動した。言葉をぽんと投げ出しているように見えて実はそうじゃないなって、なんか超かわいい女の子が超頭いいことに気づいた時みたいにどきどきしました。その目で読み直すと、やっぱりこの人の歌は自分の中にはない詩だなって思います。

 

濃い。これはなんなんアボガド?

しらないものこわいといつもいつもいうのに

 

とか、絶対自分には作れない歌だけど何かシチュエーションは分かる気がします。

 ちょっと味覚に保守的な男の子と付き合っててさ、ハンバーグとかカレーライスとかが好きで、でもカフェ飯っぽいのを「これ濃厚!なんなん、アボカド?」とか聞いて食べてて、あー、食べるんだー、みたいな。多分自分が作ったやつじゃないんじゃないかな。嬉しそうじゃないもん。

 

過去にだれともであわないでよ

若いきすしないでよ

今 産まれてきてよ

 

とかも、めちゃくちゃ恋の歌だよなー。全然真逆の発想かもしれないけど、雪舟えまの

 

彼を見たい 彼にいたるまでに出会う人そのほかを眺めていたい

 

を思い出した。

 

 だけど今産まれてきたら息子っぽくてやだなー。息子は小さい恋人♡っていうの全然理解できない私です。尽くすタイプじゃないから…。息子っぽい手がかかる男は嫌だ…。だからといって百戦錬磨な男が好きかって言われたらそれもやだ(笑)。なんか女性に対する理想のハードル高そうだもん。

 でもやっぱり過去に誰かとであってても、若いきすくらいしててもいいです(笑)。

 

 

なんねんもかねの音だけをきいていた

ふいに あなた が

すこしかたむく (yuifall)

 

 

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