左右社 出版 山田航編著 「桜前線開架宣言 Born after 1970 現代短歌日本代表」 感想の注意書きです。
笹公人②
昭和モチーフの作品が多いなーと思っていたのですが、1960年前後生まれの人間を「主人公」に設定して短歌を詠む、という試みであると解説にありました(この人自身は1975年生まれのようです)。やっぱり筒井康隆の世界観と似てるよなー。「俗物図鑑」だよな。
えんぴつで書かれた「おしん」の三文字にベータのテープを抱きしめており
なんか、「えんぴつ」「おしん」「ベータテープ」の昭和感がすごい…。「おしん」は昭和58年~59年らしいですね。ただ、もしかしたらテープに撮られているものを見てるので、舞台は平成初期かもしれません。
「八つ墓村」出演オファーを断りいるきんさんぎんさん声を揃えて
きんさんぎんさんは「1990年代に人気だった」ってWikipediaに書いてあるので平成ですし。「八つ墓村」は何度か映画化されていて、調べたら1977年と1996年らしく、多分1996年の方ですね。平成ですね。
五十余年守り抜かれし「うな八」の秘伝のタレに育つ雑菌
とか笑ったわ。継ぎ足し系ね…。この冷めたシュールさたまらんよな。
この人の作品はすごく、なんというか、男性っぽいなと思いました。ゴルゴ系というかさ…。女子供はついてこられまい的な(笑)。三億円事件、ユリ・ゲラー、みかん箱、ジャスコ、五百円札、ラッセン、サンバイザーなど、懐かしの単語が満載です。京極夏彦ばりに特定の時代の世界観を作り上げております。
昭和~平成初期までは遡れなかったので、平成中期回顧的短歌です(笑)。
ニートにも年齢制限あるがゆゑ自宅警備にジョブチェンジする (yuifall)